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糖質制限食で歯周症改善。
こんにちは。

オカノさんから、体重減少、HbA1c改善、そして歯周症改善という大変嬉しいコメントをいただきました。

【12/12/14 オカノ

はじめまして

江部先生

はじめまして。7年前に糖尿病を発症し、日々食事に気をつけながら、食事コントロールの難しさに悩んでおりました。

9月より糖質制限を始め、様々な変化が体に現れており、その効果に驚いております。

まずは体重は3ヶ月で6Kgの減少、HbA1C(JDS)で5.8→5.4へと改善しています。

ところが昨日もっと驚く変化を歯科で指摘されました。

定期的に歯科で検診を受けているのですが、歯周廻りの出血率が3ヶ月前の22%から4%に改善していたのです。磨き方を変えたかどうかを尋ねられましたが、とんと心当たりがありません。

そこで思いついたのが糖質制限。

でんぷんなどの炭水化物が口の中に入らなければ、唾液で糖化されることもありません。そうなれば、歯周病菌の餌である糖が口の中から減少し、歯周病が改善するのは当たり前なのでしょう。

これからも色々自分の体の変化を楽しみたいと思います。】



オカノさん。
コメントありがとうございます。

『歯周廻りの出血率が3ヶ月前の22%から4%に改善』

素晴らしい改善ですね。

さて、虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。

そして虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。

プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。

プラークは、ただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。

歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。

プラーク(歯垢)は重量で、約80%が細菌です。

むし歯菌の代表選手ミュータンス菌が、砂糖などからつくる不溶性グルカンからできるネバネバプラークと、それ以外の酸産生菌群がさまざまな糖質を利用してできる、水溶性のサラサラプラークがあります。

歯の表面のエナメル質にできる虫歯は主に前者、歯周病などで露出した歯根面にできるセメント質のむし歯は後者が関係しています。

ともあれ、プラークの元凶であるむし歯菌の餌は糖質です。

たんぱく質と脂質はむし歯菌の餌になりません。

糖質制限食実践により、プラークが激減しますので、歯周症の改善がおおいに期待できるわけです。


江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
歯周病と全身病
2年前、歯周病で前歯を1本抜きました。
その両側も、「時間の問題」と宣告されて、
年齢と諦めていました。(当時60歳)

ところが、糖質制限をして20カ月、
宣告を受けた歯は微動だにしません。
あんなにぐらぐらだったのに。

8020運動
(ハチレーニーレー、80歳で20本、自分の歯を残そうというもの。)

上下左右28本のうち、27本を、守り抜こう!
なにせ、歯の有無の問題だけでなく、
菌が全身をめぐって悪さをすることが
分かっているのだから。

2012/12/15(Sat) 17:44 | URL | 北九州 三島 | 【編集
肝機能改善しました
江部先生
こんばんは

今月の血液検査で
肝機能数値が
一項目 正常値となりました♪*'

検査結果を見た担当医から
糖質制限食は
免許皆伝だなぁと
お褒めにあずかり
ますます実践が楽しくなっております

また担当の先生は

これから
食事療法は(糖質制限へと)変わるよ
と断言されてもいました


現場では
認識が確実に
変わってきているようです

(b^-゜)
2012/12/15(Sat) 21:59 | URL | 梅しば | 【編集
私も前歯がグラグラしていたのが糖質制限を開始して2ヶ月ですが
全くグラグラしなくなったので治ったみたいです。
糖質制限に出会わなかったら歯を失っていたかもしれません。

ところで今回は空腹時血糖値について質問があります。
糖尿病発覚時に空腹時血糖値が203あり、
その後カロリー制限を開始しましたがどうしても150をきることが出来ず糖質制限に挑戦しました。
すると1ヶ月で100~110で安定するようになりました。
とても嬉しかったのですが私は年齢が30代前半です。
加齢により将来基礎分泌が衰えて行く事を考えると
今の年齢のうちは空腹時は90位になりたいです。
体重は順調に落ちていますがまだ標準より20kg多いです。
糖質制限を続けてもっと体が標準に近づいたらさらに下がる可能性はあるでしょうか?
90はさすがに高望みですか?
2012/12/16(Sun) 03:27 | URL | plants | 【編集
釜池先生が患者に付きっきりでたんぱく質制限を始めました、おもしろい試みだと思います。
江部先生は釜池先生よりはるかに恵まれた環境、入院施設を有しています。
どうか今後の糖尿病医療の為江部先生にもいろいろなデータを保有して発信(論文発表?)をしてほしいです。
2012/12/16(Sun) 08:29 | URL | ナカムラ | 【編集
はじめまして
質問なのですが
糖質制限はアメリカでは
下火になっていると聞いたのですが
本当ですか?
2012/12/16(Sun) 08:49 | URL | 黒 | 【編集
Re: 肝機能改善しました
梅しば さん

改善、良かったです。
脂肪肝、脱却まであとちょっとですね。

担当医が糖質制限食に理解があるのも、嬉しいですね。
2012/12/16(Sun) 09:10 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
黒 さん。

民間療法的な糖質制限食ブームは一段落したのではないかと思います。

一方、学術論文による根拠に基づく糖質制限食の有効性は、米国でも英国でもあるていど確立したと言えます。
米国糖尿病学会では2008年の栄養勧告から糖質制限食を正式に肯定しました。
英国糖尿病学会でも2011年、ガイドラインの改訂にあたって、糖質制限食肯定を示しています。

スエーデンでも、2008年に糖質制限食が、公的に認められました。
2012/12/16(Sun) 10:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
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