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妊娠糖尿病と糖質制限食・・・産後の検査
こんにちは。

ままっちさんから、妊娠糖尿病と糖質制限食についてコメント・質問をいただきました。


【12/09/12 ままっち

妊娠糖尿病?糖尿病?

江部先生、はじめてコメントさせていただきます。

わたしは現在、妊娠8ヶ月(30w)の36歳女です。

この1週間で先生の著作を購入させていただき、毎日繰り返し熟読させていただいております。

・・・というのも、妊娠後期の50gOGTTスクリーニングで陽性となり、さらに先日受けた75gOGTTにて陽性となりました。結果は、

空腹時血糖 72
60分後 179
120分後 210
HbA1c 5.8 (NGSP)

でした。わたしの体格は妊娠前157cm、50kgで、妊娠後の今現在の体重増加は約4kgです。いままでに糖尿病関連の検査で陽性になったことはありませんが、

1、父が糖尿病
2、反復流産経験
3、35歳以上の妊婦

であり、今回の検査をうけて妊娠糖尿病であろうとは思っていました。

しかし、75gOGTTの結果をうけて、120分後の血糖値が210であり、妊娠前からの糖尿病であったばあいの診断基準に該当するのでは・・・と思っています。

こういった場合でも、出産後に糖尿病が治る可能性はあるのでしょうか?

それともすでに糖尿病確定なのでしょうか?

とてもとても不安で怖いです。こんな私にもご助言いただければ助かります。

ちなみに、先生の著作を読んですぐ1週間前から、スーパー糖質制限食をはじめています。(ほぼ、スーパーかも^^;)

長文になり、たいへん失礼いたしました・・・どうかお願い申し上げます。】



ままっちさん。
拙著のご購入、ありがとうございます。

妊娠後期の50gOGTTスクリーニングで陽性。

75gOGTT、
空腹時血糖 72
60分後 179
120分後 210
HbA1c 5.8 (NGSP)

妊娠後期は、特に耐糖能が低下しやすい時期です。

父上が糖尿病ですので、糖尿病になりやすい遺伝的素因はあったと思います。

妊娠中のOGTTは、妊娠という特殊条件下のものですので、これをもって、非妊娠時のOGTTの基準に当てはめることはできません。

従いまして、出産後に治る可能性は充分あります。

スーパー糖質制限食なら食後血糖値の上昇もほとんどありませんので安心です。

妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も

<日本糖尿病学会の妊娠中の血糖値コントロール目標>
空腹時血糖値100mg/dl未満
食後1時間値140mg/dl未満
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値、

をクリアすればいいです。

スーパー糖質制限食なら、インスリン注射なしで、充分可能です。

産後の検査ですが
日本糖尿病・妊娠学会http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
のサイトが参考になります。

以下は引用です。

「妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが必要なのですか?」

最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。

また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。

したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月




江部康二


テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
教えてください
こんばんは、初めまして。
8月にペースメーカー植え込みを受け、その検査の際に糖尿病、それも、かなり悪い状態と診断されました。
血糖値は323、A1Cは11.3でした。
8月中旬に退院いたしまして、何とかしなければ…と、こちらのブログに辿り着き、糖質制限食を始め二週間です。
まだ、始めたばかりですが仰る通り、リアルに数値に表れ、本日、血糖値122、A1C9.1で驚き病院の帰りに著書購入に本屋に走りました(これから読みます)
一つ教えて頂きたい事があるのですが、低GI食品として記載があるSOYJOYを見たら、砂糖、糖質の記載がありました。難消化デキストリンの記載もあります。
糖質制限食に組み合わせても大丈夫でしょうか?
これから糖質制限食を頑張って実践して行きたいので教えて頂ければ助かります!
長文、申し訳ありませんが宜しくお願いいたします。
2012/09/13(Thu) 21:08 | URL | 地道に頑張ります! | 【編集
Re: 教えてください
地道に頑張ります! さん。

拙著のご購入、ありがとうございます。

ソイジョイは、△です。○ではありません。
大豆はいいのですが、散りばめてあるドライフルーツの糖質含有量が多いのです。

スーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質量を、10~20g以下を目指します。
それなら食後の高血糖が180mgを超えることはなく、合併症のリスクがなくなるからです。
2012/09/13(Thu) 22:05 | URL | ドクター江部 | 【編集
1日2食の場合のP:F:Cについて
江部先生、初めてコメントをさせて頂きます。長くなりますが申し訳ありません。(届いているか少々不安ではありますが…)私は現在38歳(女性)です。糖尿病歴はかなり長いのですが、今年の4月に血液検査をしたところヘモグロビンの数値が7.7…これはマズイと思い、自分なりに食事制限をしてきました。そして先生の「糖質制限」を知り著書を購入し、実践を始めて2週間ちょっとです。まだ馴れないので上手く実践出来ているか心配ですが、自分なりに何とかやっているつもりではいます。そして今月の始め、月一の検診…(その時は糖質制限を始めて5日ほど)ヘモグロビンは4.8に下がり、身長160センチ体重90キロが68キロまで減量。中性脂肪も288から115までに。しかし尿酸値が10まで上がってしまいました。一般的に言われているような尿酸値を上げてしまう原因に私自身思い当たることはなく、先生のブログに「極端なカロリー制限は尿酸値を上げる」というのを見て、これかもしれないと思い、よく考えてみると自分なりの食事制限を始めてから毎月検査をする度に尿酸値が上がっています。私はこれまでの検査で尿酸値の数値が異常を示したことはありません。今年の4月の結果(食事制限を始める前)は4.4でした。主治医には薬を飲むようにと言われましたが「もう少し様子をみさせて欲しい」と断りました。やはり飲んだ方がよいのでしょうか?そしてもう一つ質問ですが、先生が糖質制限で仰っているP:F:Cの割合です。私の場合、年齢的にも基礎代謝が落ちているでしょうし、運動もあまりしないので、少ないかもしれませんが1日の摂取カロリーは1200カロリーと勝手に決めています。そして食事そのものは1日2食なのですが(朝・夕)昼はコーヒー1杯とプロセスチーズ1つ(20g)を食べます(チーズはたまにですが)私の摂取カロリーでP:F:Cを計算するとたんぱく質96g・脂質74g程・糖質36gになるかと思います。先程も申しましたように私は1日2食です。1日3食であれば単純に考えて、それらを3回に分ければよいかと思いますが2食の場合はどう考えればよいのでしょうか?1日の摂取カロリーは同じでも、一回の食事でカロリーや脂質・たんぱく質・糖質の量が上がってしまうと思うのですが、血糖値に影響はないのでしょうか?
2012/09/14(Fri) 06:55 | URL | ほっとろぉど | 【編集
Re: 1日2食の場合のP:F:Cについて
ほっとろぉど さん。

私も、1日2食です。
私は、昼と夕の食事です。

1回の食事の糖質量を10~20g以内を目標としてください。
あとは余りこだわりません。
尿酸が高値なら、もう少し摂取エネルギーを増やしたほうがいいと思います。
2012/09/14(Fri) 20:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました!
江部先生、ご回答いただきありがとうございました!

あの落ち込みが吹っ飛ぶくらい感激してしまいました(*^^*)

ここ数日、もんもんと悩んでおりましたが、妊娠だけの病気であってもそうでなくても、ずっと糖質制限は続けていこう!そう思ってます。これから生まれてくる子のためにも元気な40代、50代・・・であるために。
そして先生のお言葉でさらに勇気がでました!

それと、糖質制限食をはじめて1週間をすぎた頃ではありますが、ひとつ気づいたことがありましたのでご報告いたします。
妊娠後期に入って、胸焼けがひどく、特に夜になって横になると喉が酸でやられるような痛さと気持ち悪さで眠れない日が多くありました。食後3時間以上経過していても、です。胃の中は空なのに・・・やっぱり後期つわりなのだろうと思っていました。あまりに痛くて気持ちが悪いので寝ていられず、夜中に起きてはお餅を2つとか、牛乳と食パン、フルーツなどを食べてしのいでいました。

ところが、糖質制限食をはじめてしばらくして、あの後期つわりの症状がなくなっていることに気づきました!
きのう先生のブログを拝読していて、逆流性食道炎のカテゴリーを見つけるまで、すっかりそのことを忘れてしまっていたくらいです^^;)
一度に食べている量は以前より多いくらいなので、おそらく糖質制限食のおかげかと思われます。制限食のうれしいオマケ、でした☆

いまのところスーパーを実践していますが、妊娠生活に不便はとくにかんじません。
食べている量も増えたくらいなので、ほんとうにだいじょうぶかな〜とむしろ心配になるほどです。
ただしひとつだけ・・・ちょっと体重が落ちてきてしまうのが困っているところかもしれません。マイナス1キロ〜1.5キロくらいで今キープするように、がんばっています。くるみを補食にチョコチョコ食べたり、脂質を多くとるように心がけています。

勇気づけてくださったお礼を・・・と思っていたのに、じぶんのことで長々とごめんんなさい。
あらためて、ありがとうございました!


2012/09/15(Sat) 07:40 | URL | ままっち | 【編集
体がだるい、左首が重い。
平成24年9月15日
初めまして、髙橋さち子と申します。
私は今年初め、国立大分市民病院で検査を受けましたところ、肺動脈血栓塞栓性肺高血圧
(深部静脈血栓症)。既往症;高血圧・脂質異常症と診断され、併せて糖尿病もあると言われました。
手術は「下大静脈フイルター留置術」を受け、24年2月12日から3月28日の約一ケ月間入院していました。.
 退院後は毎月一回診察を受けています。内容は、CT・エコー・血液検査・お薬です。CTとエコーは毎月ではありません。
★ HbA1cは、8月28日の検査では6.6%です。(前回も同じでした。初回は7%でした)
  尚、肺の方は良い方向に向かっているそうです。
     お薬は、①プロセミド0.5錠/朝食後
         ②クレストール1錠/朝食後
         ③ワーファリン 2.5錠/朝食後
         ④プロルナー3錠/毎食後
        ★⑤エクア2錠/朝・夕食後。です
 実は、糖尿病についてインターネットを検索していましたら、先生のことを知り、  
早速(6月24日)、「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」、「高雄病院の糖質制限・給食」、
「糖質オフごちそうごはん」、「秋のレシピ」、「夏のレシピ」を購入し、即「スーパー糖質制限食」に挑戦しましところ、体重が60kgから48kgに減り(身長は153㎝、75歳です。)、着られなかった服が着られるようなり、うれしく思っています。所が2週間ほど前から体がだるく、特に左足首に力が入りません。原因は分かりませんが、低血糖か?と思い、9月9日から上記⑤の「エクア錠」を朝食のみにし、夕食後は止め、様子を見ることにしました。(蛋白質は、毎日2回は食しています。)又、自己流で足首のストレッチをしています。
 ☆お時間がございましたら、アドバイスを頂けたらと思います。
 勿論、病院の先生には次回の診察時に、これらについてお話いたします。         
2012/09/15(Sat) 09:59 | URL | 高橋さち子 | 【編集
Re: 体がだるい、左首が重い。
高橋さち子 さん。

60kg→48kg

体重減少が早すぎるように思います。
そして身体がだるいのは、摂取カロリーが少なすぎる可能性があります。
カロリーはしかっり摂取してくだださい。

あと、クレストールはスタチン系の薬です。
筋肉が溶ける横紋筋溶解症の副作用があります。
筋肉がだるくて力が入らないなら、すぐに主治医とご相談ください。
電話でもいいので、早急に主治医とご相談ください。
2012/09/15(Sat) 15:38 | URL | ドクター江部 | 【編集
ご質問です。
Correlations between Antepartum Maternal Metabolism and Intelligence of Offspring
Thomas Rizzo, Ph.D., Boyd E. Metzger, M.D., William J. Burns, Ph.D., and Kayreen Burns, Ph.D.
N Engl J Med 1991; 325:911-916September 26, 1991
「脂質の異化を示す血中β-hydroxybutyrateと児のIQは逆相関する。」妊婦のケトーシスはあまり良いこととは思えませんが。。。
これについてはどうお考えでしょうか?
2012/09/17(Mon) 22:20 | URL | 通りすがり | 【編集
Re: タイトルなし
通りすがり さん。

89人の糖尿病妊娠、99人の妊娠糖尿病、35人の正常妊娠。

インスリン治療もしてます。糖尿病を主にした研究で、正常人ではないですね。

空腹時血糖値とHbA1cでは、「食後高血糖と1日平均血糖幅」はわかりません。
1991年には「食後高血糖と1日平均血糖幅」が
一番酸化ストレスとなることはまだわかっていませんでした。
それで当然、この論文でもチェックしてません。

糖質を普通に食べてインスリン注射をして、血糖コントロールを良くしようとしても、
「食後高血糖と1日平均血糖幅」はなかなか上手くコントロールできません。

結局、この論文、糖尿病妊娠や妊娠糖尿病において、「食後高血糖と1日平均血糖幅」などのコントロールが
悪く、インスリンと血糖値のマッチングがわるい場合、相対的に血中β-hydroxybutyrateが上昇したという見方ができます。

糖質を普通に食べてインスリン治療している糖尿病患者で、血中ケトン体が上昇するということは、
当然病態的に血糖コントロール不良です。→妊婦であれば胎児にも悪影響があります。

妊娠糖尿病で、スーパー糖質制限食を実践して、血糖コントロール良好であれば、血中ケトン体が高値でも
何の問題もないと思います。

かつてのイヌイットや農耕以前の人類は、皆、糖質制限食で、妊娠・出産してますので・・・。
2012/09/18(Tue) 08:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
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