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根拠のない栄養指導から脱却、そして湿潤療法成功
こんばんは。

バルタンさんから、根拠のない栄養指導から脱却して、糖質制限食で血糖値が改善、そしてひどいヤケドに湿潤療法成功で、痛みもなく完治という嬉しいコメントをいただきました。


【12/08/18 バルタン

はじめまして。バルタンと申します。

今年春の健康診断でバセドウと空腹時血糖値が高いことがわかり、バセドウはメルカゾール服用、血糖値が高い点については糖尿病と診断され、栄養指導を受けました。

当時の空腹時血糖値は117で、栄養指導後一ヶ月の随時血糖値は300になっておりました(食後1時間)。

最初に栄養指導で炭水化物をしっかり摂るよう指導されましたが、病院の主催する糖尿病教室では、糖分摂取により血糖値が上がると説明されて訳がわからなくなりました。だったらなぜ栄養指導で炭水化物を食べろと言われるのか。質問して見たところ、私の場合は痩せる必要がないから食事のバランスの方が大事なのだと言われました。(身長156cm 体重48kg当時)

結局糖尿病の仕組みの説明と栄養指導の根拠のなさにあきれて自分でネットで調べ始めたところこちらのブログにたどり着きました。

一通り読ませていただき、我流糖質制限を続けたところ、前回の検査では随時血糖値は130に下がりました。メルカゾールのおかげか、バセドウの状態もすこし良くなりました。さらに、体重は48kgから46kgに落ちました。
栄養指導の根拠が見いだせなかったのは、炭水化物をしっかり食べろということに根拠がなかったのだと実感いたしました。

そんなわけで、先生にとても感謝しております。また、疑問に思ったことは徹底的に調べるべきだとも実感いたしました。 ありがとうございます。

余談になりますが、以前指にひどいヤケドをいたしました。皮がべろりと剥けるほどの状態でしたが、湿潤療法の病院で治療いただきましたところ、全く跡も残らず完治いたしました。病院に行くまでは痛みが酷かったのですが、体温と同じ温度(これがとても重要)のぬるま湯で患部を洗い、剝けた皮膚を取り除いてワセリンを塗ったら痛みがなくなりました。その後一度も痛みませんでした。参考までに書き添えさせていただきます。

今後も先生のブログを参考に糖質制限していこうと思います。】


バルタンさん。
コメントありがとうございます。

症状改善良かったです。

自分で考えることは、医師においても患者さんにおいても、大切なことですね。

糖尿病合併症は命に関わることです。

過去の常識のみに安住して、理論的に考えることを放棄した医師や栄養士は、患者さんに対して失礼と思います。

【最初に栄養指導で炭水化物をしっかり摂るよう指導されましたが、病院の主催する糖尿病教室では、糖分摂取により血糖値が上がると説明されて訳がわからなくなりました。だったらなぜ栄養指導で炭水化物を食べろと言われるのか。質問して見たところ、私の場合は痩せる必要がないから食事のバランスの方が大事なのだと言われました。(身長156cm 体重48kg当時)
結局糖尿病の仕組みの説明と栄養指導の根拠のなさにあきれて自分でネットで調べ始めたところこちらのブログにたどり着きました。】


素直でまっとうなご意見です。

あるていど糖質制限食の基本原理「糖質だけが血糖値を上げ、タンパク質・脂質は上げない」くらいは一般の病院の医師・栄養士も知識として浸透し始めているようです。

しかし、結局食事のバランスとか根拠のない理由で、糖質摂取を薦めるとはまことに残念です。

食後高血糖が、動脈硬化のリスク要因として最大級のリスクということには明白なエビデンスがあるのに、何故唯一、血糖値を上昇させる高糖質食を推奨するのか理解に苦しみます。

目を覚まして、自分自身の頭で、しっかり理論的に考えて欲しいものです。

また、湿潤療法成功、良かったですね。

夏井睦先生の提唱されている、湿潤療法(傷は絶対消毒するな)は、とても理論的な効果抜群の画期的治療法です。

毎日の更新履歴も面白いですよ。

最近は糖質制限食のお話もよくでてきて参考になりますのでブログ読者の皆さん、是非、覗いてみてくださいね。

夏井先生のホームページです。 
http://www.wound-treatment.jp/



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
お忙しいところすみません。
私の父方は糖尿病の家系ですが、私は糖質制限をしている為かまだ発症していません。
最近、息子の洗濯物から甘い汗のにおいがして(ケトン臭?)心配しています。息子には糖尿病の家系だとはさりげなく伝えていますがまだ20代と若いせいか全く気にとめていないようです。母親としてこのような体質を遺伝させてしまい申し訳ないという気持ちがあり強く言えません。息子は朝は食べなくていいと抜きにさせ昼は手作り弁当でごはんは少なめにし、夕食は普通に食べています。しかし、おやつにスナック菓子を1袋アイス1個など毎日食べています。また、糖分の入ったジュースは買わないことにしてますがお中元でたくさんいただき時々飲んでいるようです。甘い汗の匂いは糖尿病が悪化した状態なのでしょうか?ネットで調べましたがいまひとつ納得のいく答えが見出せず申し訳ないとおもいつつ質問しました。お時間がありましたらお願いします。
2012/08/21(Tue) 21:36 | URL | トマト | 【編集
江部先生こんにちは
前から不思議で仕方がなかったのですが
なぜ今の日本の医師はすぐ、インスリンや飲み薬を出そうとするのでしょうか?
私が最初具合が悪くなり、受診した所、
空腹時血糖が404ありました。
その後即入院となり、朝昼晩インスリン8単位ずつ、ねる前にランタスを8単位打ちました。
しかし、食後血糖は300をいつも超えていました
それもそのはずです。朝は食パン
昼と夜は白いご飯。こんなに炭水化物をとれば高血糖になるのは当たり前です。
しかもこれが病院食で、医師も進めてる事に今思うとゾットします。
結局血糖を上げるのが、糖質だけだとも教えてもらえませんでした。
どうして、日本の医師は糖質制限をせず従来のカロリー制限のままなのでしょうか?
2012/08/21(Tue) 22:02 | URL | 坂東 | 【編集
こんにちは。いつもブログ参考にさせていただいております。突然ですが質問があります。我が家ではよく煮込み料理をするので醤油を相当量使います。そこで今までは無添加のたまり醤油を使用していたのですが、先日スーパーで砂糖が添加されているにも関わらず、たまり醤油より炭水化物量が少ない醤油を見つけました。どちらをこれから使用しようか悩んでいます。
2012/08/22(Wed) 10:27 | URL | まなみ | 【編集
Re: タイトルなし
トマト さん。

ドラッグストアとかで、尿検査の試薬紙が売ってますので、
心配なら簡単ですので調べてみては如何でしょう?
2012/08/22(Wed) 11:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
坂東 さん。

教育が欠落していることが大きいと思います。
日本には「人間栄養学」という学問が存在しません。

「血糖を上げるのが、糖質だけ」といった基本的な知識も
医学部でも栄養士の学校でも教育がないのです。

あとは、自分自身の頭で考えて判断を下す理論的な医師が増えていくことを願っています。
2012/08/22(Wed) 11:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
はな さん。

奈良では、糖質制限食OKの病院、把握できていません。

検査だけなら、お近くの医院でいいと思いますよ。
2012/08/22(Wed) 12:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
まなみ さん。

「たまり醤油より炭水化物量が少ない醤油」でよいと思います。
2012/08/22(Wed) 12:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
アルコールとインスリン
よろしくお願いします。人間ドッグで空腹時血糖値が高値で、糖負荷試験を実施しました。結果は以下の通りです。
血糖(前)   :87
血糖(30分) :165
血糖(60分) :208
血糖(120分):108
インスリン(前)   :2.8
インスリン(30分) :12.9
インスリン(60分) :29.5
インスリン(120分):33.1
HOMAーR:0.6
HOMAーβ:42
インスリン分泌指数:0.13
慌てて色々な糖尿病の本を購入しました。そして江部先生の本に行き着き、このブログを拝読させて頂いています。どこを探しても私の知りたい事が見つからなかったので質問させて下さい。測定器を購入して血糖値を測っています。冷凍うどんを一玉食べた一時間後の血糖値が175でした。翌日ビール(スーパードライ)を500ml飲んだ後、冷凍うどんを一玉食べた一時間後の血糖値は88でした。ブログの中で、「アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。」とあります。これらの事を勘案すると次の様に思えるのですがどうでしょうか。糖質を摂取してもアルコールを飲んでおけば、追加のインスリンがほとんど分泌されず膵臓を休ませる事が出来ると思うのですが・・・。もし可能でしたら江部先生のお考えをお教え頂ければ幸いです。
2012/08/22(Wed) 21:25 | URL | くろ | 【編集
夏井先生がここにつながるのは面白いですね。
以前から注目している先生ですがやはり自然の摂理を観察される先生の話は面白い。
自分のことは実験できるし、私自身、自然科学が好きです。
しかしお二人とも論理的なアプローチと面倒見のよさに脱帽です。
http://ameblo.jp/binsei/entry-11335197257.html
昨日のブログですがNCIの癌の酵素療法の臨床が悪質で少し書いてみました。稚拙な文で恐縮ですが良かったら覗いてください。
2012/08/23(Thu) 00:55 | URL | 小林びんせい | 【編集
油について
江部先生、皆様、こんにちは。バルタンです。
話題に取り上げてくださりありがとうございます。
湿潤療法は夏井先生のホームページで最寄りの病院を探しました。掲載されていた病院は、家族がなんどかかかったことがあった病院だったので安心していくことができました(火傷ではかかったことがなかったので知らなかったのです)。

さて、わたくしは今油について調べております。基本知識はフラックスオイルがとても体に良い。ということしか知りません。そこで
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4540072455/">油の正しい選び方・摂り方―最新 油脂と健康の科学 (健康双書)</a>
という本を読み始めましたが・・・わけがわからなくなりました。スーパーで売られているオリーブオイルには発がん性が高いと書かれてましたが、これは国内のオイルメーカーのものはよろしくないけど、輸入品ならよろしい・・・ということかとも思いました。ただ、掲載されている資料の年月が2000年よりも前のものばかりですので、どこまで信頼したものだか・・・。一般人にあまりやさしくない本なので言葉を検索しながら読んでます。おかげでさっぱり読み進められません。読後の暁にはぜひとも先生に質問ができるように理解したいと思います。

2012/08/23(Thu) 15:08 | URL | バルタン | 【編集
Re: アルコールとインスリン
くろ さん。

アルコール摂取が血糖値をあるていど下げることは間違いないのですが、
個人差があると思います。

また同一個人においても、その時の状況により、アルコール摂取がどのていど血糖を下げるかも
異なってきます。

つまり「何mlのアルコールを飲むと、何mg血糖値が下がる」
という単純計算がなかなか困難だと思います。

それからアルコールは肝臓の糖新生を阻害しますが、食事由来の血糖値の上昇は別のことなので、
膵臓が休めるわけではありません。
飲酒は肝臓にも膵臓にも負担になると思います。
2012/08/24(Fri) 17:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
小林びんせい さん。

私達も、ケトン食のガン抑制効果に注目しています。

2011年8月から、イリノイ大学とNIHが共同で、
肺ガンのステージ4の患者さんに対して<化学療法+放射線治療+ケトン食>で
臨床試験を開始しています。
興味深いです。
2012/08/24(Fri) 17:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 油について
バルタン さん。

その本は私も持っています。
エゴマ油が一番の推薦ですね。

オリーブオイルの発ガン性は、一部動物実験のデータです。
世界中でオリーブオイルが消費されていて、ヒトへの発ガン性という報告はないので
私はオリーブオイルを摂取しています。
2012/08/24(Fri) 18:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
3キロ痩せました
炭水化物と糖質を抜いた食事をするようになって2カ月がたちます。先日デブの看護師にダイエットしているの!?と聞かれてその事を教えたら顔色を変えて「あなたとんでもない事になるわよ」と言って血糖値を測られ食後一時間で 80でした。「すぐにやめなさい」と言われました。妬みですよね!!
2012/09/01(Sat) 17:02 | URL |  | 【編集
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