2011年08月27日 (土)
おはようございます。
またまた、極めて興味深い論文が、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌(BMJ誌)2011年7月30日号に掲載されました。
フランスLyon第一大学のRemy Boussageon氏らの報告です。
Medline、Embase、コクランレビューに1950年から2010年7月までに登録された無作為化試験の中から、厳しい条件を満たした研究を選出しました。
その結果以下の13件の研究が残りました。
UGDP(phenoformin、tolbutamide、insulinの3件)、Kumamoto、Veteran Affairs Feasibility study、
UKPDS(33と34の2件)、PROactive、Dargieらの2007年の研究、ACCORD、ADVANCE、VADT、HOME。
これら13件の研究をメタ解析したのがこの論文です。(*)(**)
この論文の結論は
「2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度」
ということです。
2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、全死因死亡、心血管死亡リスクの低減効果はあったとしてもわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、明らかとなっています。
13の厳選された信頼度の高い論文のメタ解析ですので、客観的・科学的・数量的・総括的な評価を目指した論文と言えます。
今回のメタ分析の結果、厳格な血糖管理の利益はあったとしてもわずかで、重症低血糖がもたらす害により相殺される程度であることが示唆されました。
死亡に対する影響も、「全死因死亡リスクは9%低下または19%上昇」「心血管死亡リスクは14%低下または43%上昇」という可能性が残るということでした。
つまり、厳格血糖管理群で、かえって死亡リスクが高まることも充分あり得るという、恐るべき結論です。(=_=;)
2008年報告のACCORD試験では、厳格管理群の総死亡率が標準治療群より有意に上昇し、物議をかもしたのは記憶に新しいところです。
また「2型糖尿病患者の死亡率はHbA1c7.5%前後が最も低い」という衝撃的な後ろ向きコホート研究報告が、英国の医学雑誌Lancet誌2010年2月6日号に掲載されたのも、記憶に新しいところです。
上記、2つの論文で明らかなことは、糖質を摂取しながら、厳格に糖尿病薬物治療を行えば、かえって死亡リスクが高まる可能性が高いということです。
そして、今回のBMJ誌の論文でも、糖質を摂取しながらの厳格薬物治療の利益はほとんどないに等しいし、場合により死亡リスクを高める可能性さえあるということです。
糖尿人のご同輩、くれぐれも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食ですね。
江部康二
(*)参考
日経メディカル オンライン 2011. 8. 9 から転載
【BMJ誌から
2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度
ACCORDなど13件の無作為化試験を対象とした最新のメタ分析の結果
大西 淳子=医学ジャーナリスト
2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、全死因死亡、心血管死亡リスクの低減効果はあったとしてもわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、フランスLyon第一大学のRemy Boussageon氏らが行った最新のメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌2011年7月30日号に掲載された。
ACCORD試験が、2型糖尿病患者に対する血糖厳格管理で死亡リスクが有意に上昇することを報告して以来、厳格管理の利益とリスクに関する議論が続いている。心血管イベントに対する影響や微小血管イベントに対する影響についても、複数の臨床試験で報告されたデータは一貫した利益を示していない。
2型糖尿病患者に対する血糖厳格管理の影響を調べた無作為化試験を対象とするメタ分析はこれまでにも何件か行われているが、それらは主に、厳格管理の大血管イベントに対する影響について分析していた。著者らは今回、最新のデータを組み入れて、患者死亡と、心血管イベント、微小血管イベント、重症低血糖イベントへの影響を評価するメタ分析を行うことにした。
Medline、Embase、コクランレビューに1950年から2010年7月までに登録された無作為化試験の中から、18歳以上の2型糖尿病患者を登録し、「血糖厳格管理療法か標準治療」、または「厳格管理よりは強度の低い血糖管理療法か偽薬」に割り付けて、心血管イベントと微小血管合併症に対する影響を調べていた研究を選んだ。なお、厳格管理であるかどうかは、目標として設定されたHbA1cまたは治療強度に基づいて判定した。
主要エンドポイントは全死因死亡と心血管死亡に、2次エンドポイントは、心筋梗塞、非致死的心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、網膜光凝固術施行、網膜症、微量アルブミン尿、腎不全、末梢血管イベント、四肢切断、重症低血糖などに設定し、リスク比と99%信頼区間を求めた。
以下の13件の研究が条件を満たした:UGDP(phenoformin、tolbutamide、insulinの3件)、Kumamoto、Veteran Affairs Feasibility study、UKPDS(33と34の2件)、PROactive、Dargieらの2007年の研究、ACCORD、ADVANCE、VADT、HOME。
それらの試験に登録された3万4533人(60%が男性、平均年齢62歳、HbA1cの平均は7.9%、糖尿病歴の平均は7.8年)のうち、1万8315人が厳格管理群に割り付けられており、対照群は計1万6218人だった。追跡期間の平均は5.0年になった。
厳格管理群の全死因死亡のリスク比は1.04(99%信頼区間0.91-1.19)で、研究間の不均質性は高かった(I2=42%)。質の高い(Jadadスコアが3超)研究のみを分析対象にしても、1.06(0.84-1.34)と、同様の結果になった。
心血管死亡のリスク比は1.11(0.86-1.43)で、やはり研究間の不均質性は高かった(I2=61%)。質の高い研究のみを分析すると1.58(0.60-4.17)になったが、研究間の不均質性は高かった(I2=70%)。
非致死的心筋梗塞は厳格管理群に有意に少なかった(0.85、0.74-0.96)。だが、致死的心筋梗塞も含めたあらゆる心筋梗塞のリスク比は0.90(0.81-1.01)となり、有意ではなかった。これらの分析には、不均質性は認められなかった(I2=0%)。質の高い研究のみを対象にすると、それぞれ0.83(0.63-1.10)、1.34(0.77-2.35)となり、いずれも有意な値にならなかった。
厳格管理群の微量アルブミン尿(0.90、0.85-0.96、P<0.001)のリスク低減は有意だったが、質の高い研究のみを対象にすると、有意な結果ではなかった(0.99、0.87-1.13)。
非致死的脳卒中、あらゆる脳卒中、うっ血性心不全、末梢血管疾患、網膜症、光凝固療法施行、腎機能の低下、四肢切断などには、有意なリスク低減は見られなかった。質の高い研究のみを分析すると、厳格管理群でうっ血性心不全のリスク上昇が有意になった(1.47、1.19-1.83)。
一方、重症低血糖(2.33、1.62-3.36)は厳格管理群に有意に多く見られた。研究間の不均質性は高かった(I2=63%)。
治療期間を5年として、絶対リスク減少に基づいて厳格管理の治療必要数(NNT)を算出したところ、心筋梗塞が117から150、微量アルブミン尿が32から142となった。一方で、重症低血糖の害必要数(NNH)は15から52になった。
今回のメタ分析の結果、厳格な血糖管理の利益はあったとしてもわずかで、重症低血糖がもたらす害により相殺される程度であることが示唆された。死亡に対する影響は、99%信頼区間から推定すると、全死因死亡リスクは9%低下または19%上昇、心血管死亡リスクは14%低下または43%上昇する可能性が残る。いまだ質の高い大規模研究がないことから、著者らは、「質の高い二重盲検の無作為化試験を行って、2型糖尿病患者に対する最善の治療レジメンを見い出す必要がある」と述べている。
原題は「Effect of intensive glucose lowering treatment on all cause mortality, cardiovascular death, and microvascular events in type 2 diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials」、全文は、BMJ誌のWebサイトで閲覧できる。】
(**)メタ解析 薬学用語解説より
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%83%A1%E3%82%BF%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%80%80
Meta-Analysis、メタアナリシス
過去に独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集・統合し、統計的方法を用いて解析した系統的総説。採用するデータは、信頼できるものにしぼり、それぞれに重み付けを行う。一般的には、様々な試験の要約統計量を用いるが、生データを結合して解析する場合もある。叙述的な総説とは異なり、体系的、組織的、統計学的、定量的に研究結果をレビューするという特徴がある。メタアナリシスは、複数の研究で得られた効果が一致しない場合、個々の研究の標本サイズが小さく有意な効果を見いだせない場合、大きな標本サイズの研究が経済的・時間的に困難な場合、に有用であるとされている。
医学分野では対象や研究方法が多様で、各種のバイアスが入りやすく、また研究の質のばらつきが大きい。例えば、公表論文は有意な結果のみが発表されることが多い。これは研究者がポジティブな結果が得られたときにのみ発表する「報告バイアス」や、学会誌等の編集者が,統計学的に有意な結果の得られていないものはリジェクトする「出版バイアス」のためである。このため、単に報告を集めるだけでは、ポジティブ方向へバイアスがかかるという懸念が指摘されている。また、質の低い論文を他の優れた研究成果と同等に評価対象としてしまうと過大評価することになる。メタアナリシスでは、バイアスの影響を極力排除し、評価基準を統一して客観的・科学的に多数の研究結果を数量的、総括的に評価しようとしている。
こうしたメタアナリシス研究を押し進めることを目的として、1992年には、英国政府の支援のもとにオックスフォードにコクラン・センター(Cochrane Centre)が作られた。The Cochrane Libraryとは、コクラン共同計画が行っているメタアナリシスである。ランダム化比較試験の行われたデータをすべて集め、その中から信頼できるものを選び、総合評価を行っている。(2007.8.31 掲載)
またまた、極めて興味深い論文が、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌(BMJ誌)2011年7月30日号に掲載されました。
フランスLyon第一大学のRemy Boussageon氏らの報告です。
Medline、Embase、コクランレビューに1950年から2010年7月までに登録された無作為化試験の中から、厳しい条件を満たした研究を選出しました。
その結果以下の13件の研究が残りました。
UGDP(phenoformin、tolbutamide、insulinの3件)、Kumamoto、Veteran Affairs Feasibility study、
UKPDS(33と34の2件)、PROactive、Dargieらの2007年の研究、ACCORD、ADVANCE、VADT、HOME。
これら13件の研究をメタ解析したのがこの論文です。(*)(**)
この論文の結論は
「2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度」
ということです。
2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、全死因死亡、心血管死亡リスクの低減効果はあったとしてもわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、明らかとなっています。
13の厳選された信頼度の高い論文のメタ解析ですので、客観的・科学的・数量的・総括的な評価を目指した論文と言えます。
今回のメタ分析の結果、厳格な血糖管理の利益はあったとしてもわずかで、重症低血糖がもたらす害により相殺される程度であることが示唆されました。
死亡に対する影響も、「全死因死亡リスクは9%低下または19%上昇」「心血管死亡リスクは14%低下または43%上昇」という可能性が残るということでした。
つまり、厳格血糖管理群で、かえって死亡リスクが高まることも充分あり得るという、恐るべき結論です。(=_=;)
2008年報告のACCORD試験では、厳格管理群の総死亡率が標準治療群より有意に上昇し、物議をかもしたのは記憶に新しいところです。
また「2型糖尿病患者の死亡率はHbA1c7.5%前後が最も低い」という衝撃的な後ろ向きコホート研究報告が、英国の医学雑誌Lancet誌2010年2月6日号に掲載されたのも、記憶に新しいところです。
上記、2つの論文で明らかなことは、糖質を摂取しながら、厳格に糖尿病薬物治療を行えば、かえって死亡リスクが高まる可能性が高いということです。
そして、今回のBMJ誌の論文でも、糖質を摂取しながらの厳格薬物治療の利益はほとんどないに等しいし、場合により死亡リスクを高める可能性さえあるということです。
糖尿人のご同輩、くれぐれも、美味しく楽しく末長く、糖質制限食ですね。
江部康二
(*)参考
日経メディカル オンライン 2011. 8. 9 から転載
【BMJ誌から
2型糖尿病の厳格な血糖管理の利益はわずか、低血糖リスクに相殺される程度
ACCORDなど13件の無作為化試験を対象とした最新のメタ分析の結果
大西 淳子=医学ジャーナリスト
2型糖尿病患者に対して厳格な血糖管理を行っても、全死因死亡、心血管死亡リスクの低減効果はあったとしてもわずかで、重症低血糖リスクは2倍以上になることが、フランスLyon第一大学のRemy Boussageon氏らが行った最新のメタ分析で明らかになった。論文は、BMJ誌2011年7月30日号に掲載された。
ACCORD試験が、2型糖尿病患者に対する血糖厳格管理で死亡リスクが有意に上昇することを報告して以来、厳格管理の利益とリスクに関する議論が続いている。心血管イベントに対する影響や微小血管イベントに対する影響についても、複数の臨床試験で報告されたデータは一貫した利益を示していない。
2型糖尿病患者に対する血糖厳格管理の影響を調べた無作為化試験を対象とするメタ分析はこれまでにも何件か行われているが、それらは主に、厳格管理の大血管イベントに対する影響について分析していた。著者らは今回、最新のデータを組み入れて、患者死亡と、心血管イベント、微小血管イベント、重症低血糖イベントへの影響を評価するメタ分析を行うことにした。
Medline、Embase、コクランレビューに1950年から2010年7月までに登録された無作為化試験の中から、18歳以上の2型糖尿病患者を登録し、「血糖厳格管理療法か標準治療」、または「厳格管理よりは強度の低い血糖管理療法か偽薬」に割り付けて、心血管イベントと微小血管合併症に対する影響を調べていた研究を選んだ。なお、厳格管理であるかどうかは、目標として設定されたHbA1cまたは治療強度に基づいて判定した。
主要エンドポイントは全死因死亡と心血管死亡に、2次エンドポイントは、心筋梗塞、非致死的心筋梗塞、脳卒中、うっ血性心不全、網膜光凝固術施行、網膜症、微量アルブミン尿、腎不全、末梢血管イベント、四肢切断、重症低血糖などに設定し、リスク比と99%信頼区間を求めた。
以下の13件の研究が条件を満たした:UGDP(phenoformin、tolbutamide、insulinの3件)、Kumamoto、Veteran Affairs Feasibility study、UKPDS(33と34の2件)、PROactive、Dargieらの2007年の研究、ACCORD、ADVANCE、VADT、HOME。
それらの試験に登録された3万4533人(60%が男性、平均年齢62歳、HbA1cの平均は7.9%、糖尿病歴の平均は7.8年)のうち、1万8315人が厳格管理群に割り付けられており、対照群は計1万6218人だった。追跡期間の平均は5.0年になった。
厳格管理群の全死因死亡のリスク比は1.04(99%信頼区間0.91-1.19)で、研究間の不均質性は高かった(I2=42%)。質の高い(Jadadスコアが3超)研究のみを分析対象にしても、1.06(0.84-1.34)と、同様の結果になった。
心血管死亡のリスク比は1.11(0.86-1.43)で、やはり研究間の不均質性は高かった(I2=61%)。質の高い研究のみを分析すると1.58(0.60-4.17)になったが、研究間の不均質性は高かった(I2=70%)。
非致死的心筋梗塞は厳格管理群に有意に少なかった(0.85、0.74-0.96)。だが、致死的心筋梗塞も含めたあらゆる心筋梗塞のリスク比は0.90(0.81-1.01)となり、有意ではなかった。これらの分析には、不均質性は認められなかった(I2=0%)。質の高い研究のみを対象にすると、それぞれ0.83(0.63-1.10)、1.34(0.77-2.35)となり、いずれも有意な値にならなかった。
厳格管理群の微量アルブミン尿(0.90、0.85-0.96、P<0.001)のリスク低減は有意だったが、質の高い研究のみを対象にすると、有意な結果ではなかった(0.99、0.87-1.13)。
非致死的脳卒中、あらゆる脳卒中、うっ血性心不全、末梢血管疾患、網膜症、光凝固療法施行、腎機能の低下、四肢切断などには、有意なリスク低減は見られなかった。質の高い研究のみを分析すると、厳格管理群でうっ血性心不全のリスク上昇が有意になった(1.47、1.19-1.83)。
一方、重症低血糖(2.33、1.62-3.36)は厳格管理群に有意に多く見られた。研究間の不均質性は高かった(I2=63%)。
治療期間を5年として、絶対リスク減少に基づいて厳格管理の治療必要数(NNT)を算出したところ、心筋梗塞が117から150、微量アルブミン尿が32から142となった。一方で、重症低血糖の害必要数(NNH)は15から52になった。
今回のメタ分析の結果、厳格な血糖管理の利益はあったとしてもわずかで、重症低血糖がもたらす害により相殺される程度であることが示唆された。死亡に対する影響は、99%信頼区間から推定すると、全死因死亡リスクは9%低下または19%上昇、心血管死亡リスクは14%低下または43%上昇する可能性が残る。いまだ質の高い大規模研究がないことから、著者らは、「質の高い二重盲検の無作為化試験を行って、2型糖尿病患者に対する最善の治療レジメンを見い出す必要がある」と述べている。
原題は「Effect of intensive glucose lowering treatment on all cause mortality, cardiovascular death, and microvascular events in type 2 diabetes: meta-analysis of randomised controlled trials」、全文は、BMJ誌のWebサイトで閲覧できる。】
(**)メタ解析 薬学用語解説より
http://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%83%A1%E3%82%BF%E8%A7%A3%E6%9E%90%E3%80%80
Meta-Analysis、メタアナリシス
過去に独立して行われた複数の臨床研究のデータを収集・統合し、統計的方法を用いて解析した系統的総説。採用するデータは、信頼できるものにしぼり、それぞれに重み付けを行う。一般的には、様々な試験の要約統計量を用いるが、生データを結合して解析する場合もある。叙述的な総説とは異なり、体系的、組織的、統計学的、定量的に研究結果をレビューするという特徴がある。メタアナリシスは、複数の研究で得られた効果が一致しない場合、個々の研究の標本サイズが小さく有意な効果を見いだせない場合、大きな標本サイズの研究が経済的・時間的に困難な場合、に有用であるとされている。
医学分野では対象や研究方法が多様で、各種のバイアスが入りやすく、また研究の質のばらつきが大きい。例えば、公表論文は有意な結果のみが発表されることが多い。これは研究者がポジティブな結果が得られたときにのみ発表する「報告バイアス」や、学会誌等の編集者が,統計学的に有意な結果の得られていないものはリジェクトする「出版バイアス」のためである。このため、単に報告を集めるだけでは、ポジティブ方向へバイアスがかかるという懸念が指摘されている。また、質の低い論文を他の優れた研究成果と同等に評価対象としてしまうと過大評価することになる。メタアナリシスでは、バイアスの影響を極力排除し、評価基準を統一して客観的・科学的に多数の研究結果を数量的、総括的に評価しようとしている。
こうしたメタアナリシス研究を押し進めることを目的として、1992年には、英国政府の支援のもとにオックスフォードにコクラン・センター(Cochrane Centre)が作られた。The Cochrane Libraryとは、コクラン共同計画が行っているメタアナリシスである。ランダム化比較試験の行われたデータをすべて集め、その中から信頼できるものを選び、総合評価を行っている。(2007.8.31 掲載)
先日の、「よさこい&阿波踊り」見物の際、ツアーの宿泊が、高知でも徳島でもなく、香川の琴平温泉だった。これ幸いと、早朝5時起きで、ツアーの出発前に、参詣を果たしたのだが、金毘羅さんには、私は、なんと、40数年前、東北の田舎の高校の修学旅行で参詣した経験があり、2度目。東北出身の私が2度目なのに、九州出身の妻が初めて。意外だった。まあ、今と違い、家族旅行などしなかった時代のことだから。●さて、表題が、唐突にも、筋肉痛の話になったのは、宮本輝VS江部康二『我ら糖尿人、元気なのには理由がある』(東洋経済)を読んで、現在、64歳の宮本氏がゴルフ球300でも疲れない(61歳当時)のは、「糖質制限食」のおかげという件を読んだから。●体操のインストラクターの妻が筋肉痛に襲われた(汗;)のに、朝の9時から夜の12時迄、塾で、ほとんど座りっぱなしの運動嫌いの私が、筋肉痛にならなかったナゾが、昨日になって判明したのである。●江部康二先生の名前が書いてある御本はそろえていたつもりが、対談集ということで、検索から漏れたらしい。●先生のブログに投稿し、コメントをいただいて、早速、購入して読んで、喉のつかえが下りました。●今朝、妻にその話をしたら、「ビール党」の「普通食人」の妻も、今日から「糖質制限食」党に入党するということで、次男に加え、北九州支部の党員は3名に。(笑)
これまでの糖尿病の治療はインスリン分泌を促すこと不足すればインスリン注射のワンパターンで成績不良。
糖質制限食のメタ解析がなされればいかに予後の改善に役立っていたかを証明できるでしょう。
またインスリンは発がん性も問題視されており癌との関連もメタ解析がほしいところですね。
糖質制限食のメタ解析がなされればいかに予後の改善に役立っていたかを証明できるでしょう。
またインスリンは発がん性も問題視されており癌との関連もメタ解析がほしいところですね。
2011/08/27(Sat) 11:29 | URL | ちえ | 【編集】
こんにちは。
お忙しいところ恐縮ですが、どうしても理解できず困っています。
回答いただければ幸いです。
3年ほど前から先生の本2冊読み、プチ糖質制限食を実行しています。
お陰様で随時の血糖値(食後150分)は100前後、またグリコアルブミン
も最低14.6まで下がった時もありましたが、15.6とか16.4とかもあります。
半年に一度血液検査があるのですが、今回は普段の朝食後30分後に血糖
値とインスリン分泌量の検査がありました。
その結果を先日いただいたのですが、インスリン分泌量が4.7となり、
血糖値は111でした。
担当の先生はどうして??インスリンの分泌量が少ないということで検査数字の
間違い?などと言っていましたが、これについて正確な回答はありませんでした。
尚4年前のブドウ糖負荷試験の時は32.4あり血糖値は200ありました。
60分240 120分126でした。
インスリンの働きが悪いということでアクトス1錠飲んでいます。
その日の朝食のメニューはサラダ(キャベツ、リンゴ、玉ねぎスライス、
トマト)、豆腐150g、パン40gでした。
また、その日朝起きて習慣で豆乳(無調整)60cc位飲んでしまいました。
それも影響しているのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
お忙しいところ恐縮ですが、どうしても理解できず困っています。
回答いただければ幸いです。
3年ほど前から先生の本2冊読み、プチ糖質制限食を実行しています。
お陰様で随時の血糖値(食後150分)は100前後、またグリコアルブミン
も最低14.6まで下がった時もありましたが、15.6とか16.4とかもあります。
半年に一度血液検査があるのですが、今回は普段の朝食後30分後に血糖
値とインスリン分泌量の検査がありました。
その結果を先日いただいたのですが、インスリン分泌量が4.7となり、
血糖値は111でした。
担当の先生はどうして??インスリンの分泌量が少ないということで検査数字の
間違い?などと言っていましたが、これについて正確な回答はありませんでした。
尚4年前のブドウ糖負荷試験の時は32.4あり血糖値は200ありました。
60分240 120分126でした。
インスリンの働きが悪いということでアクトス1錠飲んでいます。
その日の朝食のメニューはサラダ(キャベツ、リンゴ、玉ねぎスライス、
トマト)、豆腐150g、パン40gでした。
また、その日朝起きて習慣で豆乳(無調整)60cc位飲んでしまいました。
それも影響しているのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
2011/08/27(Sat) 14:14 | URL | key | 【編集】
はじめまして。
5月に糖尿病が発覚した48歳女性です。
まもなく先生のブログに出会うことができ、糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食の本も読み、糖質制限を始めました。
その結果、
5月27日の発覚時には、血糖値353(食後2時間)、HbA1c9,8
6月25日、空腹時血糖値113、HbA1c7,7
7月23日、空腹時血糖値94、HbA1c6,8
今日、空腹時血糖値98、HbA1c5,4
と、3ヶ月でここまで下げることができました^^
先生のブログに出会えたことに心から感謝の思いでいっぱいです。
ありがとうございました。
薬はジャヌビアのみ飲んでいましたが、今月からは薬もなくなりました。
糖質制限を始めてから、体調も大変よく、
長年悩んでいた湿疹も全く出なくなり、お肌もしっとりツルツルです^^
体重もこの3ヶ月で7キロ減り、血糖値以外の効果にも驚きです。(身長153センチ、体重65キロ⇒58キロ)
ただ、前回の検査でLDLコレステロールが210だったそうで(当日わかるのは血糖値とHbA1cのみで、他の数値は来月出ます)、来月下がっていなければ、薬を出すと言われてしまいました。
現在かかっている病院は、検査の数値の紙をいただけず、他の数値はよくわからないのですが、糖尿病発覚時にはLDLコレステロールは「ちょっと高いけど、薬は必要ない程度」と言われていました。
ブログの過去ログを読み、LDLコレステロールは半年~1年で下がることも多いと書かれていたので、私としてはもう少し様子見したいと思うのですが、210というのがかなり高いので、薬を飲むべきかちょっと悩んでしまっています。
やはり様子見するには危険な数値なのでしょうか?
主治医には糖質制限をしていることは伝えてありますが、よく知らないみたいで、「へぇ~、ごはんと甘いものやめたらこんなに下がるんだ~」って言ってました^^;
江部先生には、お礼のみのつもりでしたが、お忙しい中質問もしてしまい、申し訳ありません。
5月に糖尿病が発覚した48歳女性です。
まもなく先生のブログに出会うことができ、糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食の本も読み、糖質制限を始めました。
その結果、
5月27日の発覚時には、血糖値353(食後2時間)、HbA1c9,8
6月25日、空腹時血糖値113、HbA1c7,7
7月23日、空腹時血糖値94、HbA1c6,8
今日、空腹時血糖値98、HbA1c5,4
と、3ヶ月でここまで下げることができました^^
先生のブログに出会えたことに心から感謝の思いでいっぱいです。
ありがとうございました。
薬はジャヌビアのみ飲んでいましたが、今月からは薬もなくなりました。
糖質制限を始めてから、体調も大変よく、
長年悩んでいた湿疹も全く出なくなり、お肌もしっとりツルツルです^^
体重もこの3ヶ月で7キロ減り、血糖値以外の効果にも驚きです。(身長153センチ、体重65キロ⇒58キロ)
ただ、前回の検査でLDLコレステロールが210だったそうで(当日わかるのは血糖値とHbA1cのみで、他の数値は来月出ます)、来月下がっていなければ、薬を出すと言われてしまいました。
現在かかっている病院は、検査の数値の紙をいただけず、他の数値はよくわからないのですが、糖尿病発覚時にはLDLコレステロールは「ちょっと高いけど、薬は必要ない程度」と言われていました。
ブログの過去ログを読み、LDLコレステロールは半年~1年で下がることも多いと書かれていたので、私としてはもう少し様子見したいと思うのですが、210というのがかなり高いので、薬を飲むべきかちょっと悩んでしまっています。
やはり様子見するには危険な数値なのでしょうか?
主治医には糖質制限をしていることは伝えてありますが、よく知らないみたいで、「へぇ~、ごはんと甘いものやめたらこんなに下がるんだ~」って言ってました^^;
江部先生には、お礼のみのつもりでしたが、お忙しい中質問もしてしまい、申し訳ありません。
2011/08/27(Sat) 15:43 | URL | こっちゃん | 【編集】
銀 さん。
HDL-CとLDL-CとTGは、とてもいいデータですね。
GOTとGPTだけ脂肪肝的?ですね。
ともあれ、このまま糖質制限を続けられて、よろしいと思います。
肝機能もよくなると思いますよ。
HDL-CとLDL-CとTGは、とてもいいデータですね。
GOTとGPTだけ脂肪肝的?ですね。
ともあれ、このまま糖質制限を続けられて、よろしいと思います。
肝機能もよくなると思いますよ。
2011/08/27(Sat) 16:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
key さん。
「その日の朝食のメニューはサラダ(キャベツ、リンゴ、玉ねぎスライス、
トマト)、豆腐150g、パン40gでした。」
糖質量が20gくらですね。
ブドウ糖負荷試験は75gのブドウ糖ですので、大きな糖質量の差があります。
インスリン分泌量の差もそのためかもしれません。
「インスリン分泌量が4.7となり、血糖値は111」
このデータなら、正常ですのでインスリン量と血糖のマッチングはOKですね。
「その日の朝食のメニューはサラダ(キャベツ、リンゴ、玉ねぎスライス、
トマト)、豆腐150g、パン40gでした。」
糖質量が20gくらですね。
ブドウ糖負荷試験は75gのブドウ糖ですので、大きな糖質量の差があります。
インスリン分泌量の差もそのためかもしれません。
「インスリン分泌量が4.7となり、血糖値は111」
このデータなら、正常ですのでインスリン量と血糖のマッチングはOKですね。
2011/08/27(Sat) 16:11 | URL | ドクター江部 | 【編集】
三島 さん。
コメントありがとうございます。
筋肉痛なし。
とても興味深いですので、明日記事にアップさせて頂きたいと思います。
コメントありがとうございます。
筋肉痛なし。
とても興味深いですので、明日記事にアップさせて頂きたいと思います。
2011/08/27(Sat) 16:17 | URL | ドクター江部 | 【編集】
追伸です。私は、普段から、足に各500Gの重りをつけています。2泊3日の旅行もつけたままでした。もちろん、階段登りもつけたままでしたが、何ともありませんでした。何もつけていない、妻は、アキレスの周辺が痛かったそうです。(「真美健康体操」のインストラクターとして、市民センターで週2回、インストラクターの練習が週1~2回、自宅での練習は毎日欠かさず。)
やはりです。少しずつですが 朝日が光輝いてきています^^ 先生の研究データがエビデンスへとつなげる 裏付けができつつあることに心から喜びを感じています。
今までの糖尿人への治療法など常識を覆すかもしれませんが
私も実験台となりながらも がんばりたいと思います。
微々たるかも知れませんが 当院の糖尿人への方のために
まずは、院長はじめ 他 コメディカルの意識改革を行っていこうと思います。
これからも 疑問などあれば コメントするかもしれませんがよろしくお願いします。
江部先生の 研究が 世界的に認められることを心から祈っています。
今までの糖尿人への治療法など常識を覆すかもしれませんが
私も実験台となりながらも がんばりたいと思います。
微々たるかも知れませんが 当院の糖尿人への方のために
まずは、院長はじめ 他 コメディカルの意識改革を行っていこうと思います。
これからも 疑問などあれば コメントするかもしれませんがよろしくお願いします。
江部先生の 研究が 世界的に認められることを心から祈っています。
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