2011年07月19日 (火)
おはようございます。
新刊のご紹介です。
ソフトバンク新書のシリーズから
腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」 江部康二著
が出版されました。
新書は初めての出版となります。
新書で安価で、最新の糖質制限食理論と実践のノウハウがいっぱいつまっていますので、是非ご一読いただければ幸いです。
2011年6月25日発売ですが、7月初めに早くも重版が決定しまして嬉しい限りです。(^^)
本書で提唱する糖質制限食ダイエット、キーワードは「糖質制限」だけで、あと面倒なカロリー計算などは不要です。
あんまり簡単なので「ずぼらダイエット」と呼ばれることもあります。
「簡単なのはいいけれど糖質を食べなかったら低血糖になりはしませんか?」
と突っ込みが入りそうですが、
肝臓の「糖新生」でいつでもブドウ糖をつくっているので低血糖にはならず、全く問題はありません。
さて、初めて糖質制限食の内容を知ったとき、多くの人はきっとびっくりされたことでしょう。
「脂肪はしっかり摂取していいので、糖質だけは減らそう」
という糖質制限食の基本スタンスは、従来のダイエットの常識である「脂肪制限」とは、真っ向から対立するものだからです。
実は私も兄、江部洋一郎院長(当時)が、1999年に高雄病院に初めて糖質制限食を導入したときは、非常識でとんでもない代物と無視していました。
常識の壁は高く厚いものであり、私だけでなく3人いる管理栄養士も同様の対応でした。
そんなとき2001年に私の糖尿病患者さんが血糖値560mg/dl、HbA1c14.5%という重症で入院され、通常のカロリー制限食で1週間経過しても食後血糖値は400mg/dl以上と、あまり改善がありませんでした。
そこでものは試しにと、糖質制限食を導入したところ、食後血糖値はその日から180mg/dlを超えることはなくなり、劇的な改善をみました。内服薬もインスリン注射もまったくなしで、3ヶ月後にはHbA1c6.2%となりました。
この糖質制限食第一号患者さんを経験した後は、目から鱗が落ちた思いで糖質制限食を研究することになりました。
その後、2002年に自分自身が糖尿病と発覚してから、さらに徹底的に勉強し、糖質制限食は糖尿病だけでなく、肥満やメタボリック・シンドロームを始めとして、様々な生活習慣病に効果があることを多くの症例を経験して確信しました。
糖質制限食というと変わった食事というイメージですが、実は人類本来の自然な食事、人類の健康食なのです。
人類が、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが約400万年前です。
その後、7属23種の人類が栄枯盛衰・進化を繰り返し、現在残っているのは、現世人類(ホモ・サピエンス)だけです。
この間農耕が始まるまでの400万年間は、生業は狩猟・採集で、全ての人類が糖質制限食でした。
このように人類の栄養・代謝・生理すべて糖質制限食に適応するように進化してきていますし、勿論妊娠・出産・子育て・日常生活も糖質制限食の中で行われてきました。
農耕が始まり定着して最近の約4000年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
即ち穀物(糖質)を主食としたのは、人類の歴史の中でわずか1/1000の期間に過ぎないのです。
糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかはいうまでもありません。
糖質制限食という人類の本来の食事、人類の健康食を実践することで、肥満や糖尿病やメタボといった様々な生活習慣病が改善するのもむべなるかなです。
本書が読者の皆さんの、肥満解消そして健康に役立てば幸いです。
江部康二
新刊のご紹介です。
ソフトバンク新書のシリーズから
腹いっぱい食べて楽々痩せる「満腹ダイエット」 江部康二著
が出版されました。
新書は初めての出版となります。
新書で安価で、最新の糖質制限食理論と実践のノウハウがいっぱいつまっていますので、是非ご一読いただければ幸いです。
2011年6月25日発売ですが、7月初めに早くも重版が決定しまして嬉しい限りです。(^^)
本書で提唱する糖質制限食ダイエット、キーワードは「糖質制限」だけで、あと面倒なカロリー計算などは不要です。
あんまり簡単なので「ずぼらダイエット」と呼ばれることもあります。
「簡単なのはいいけれど糖質を食べなかったら低血糖になりはしませんか?」
と突っ込みが入りそうですが、
肝臓の「糖新生」でいつでもブドウ糖をつくっているので低血糖にはならず、全く問題はありません。
さて、初めて糖質制限食の内容を知ったとき、多くの人はきっとびっくりされたことでしょう。
「脂肪はしっかり摂取していいので、糖質だけは減らそう」
という糖質制限食の基本スタンスは、従来のダイエットの常識である「脂肪制限」とは、真っ向から対立するものだからです。
実は私も兄、江部洋一郎院長(当時)が、1999年に高雄病院に初めて糖質制限食を導入したときは、非常識でとんでもない代物と無視していました。
常識の壁は高く厚いものであり、私だけでなく3人いる管理栄養士も同様の対応でした。
そんなとき2001年に私の糖尿病患者さんが血糖値560mg/dl、HbA1c14.5%という重症で入院され、通常のカロリー制限食で1週間経過しても食後血糖値は400mg/dl以上と、あまり改善がありませんでした。
そこでものは試しにと、糖質制限食を導入したところ、食後血糖値はその日から180mg/dlを超えることはなくなり、劇的な改善をみました。内服薬もインスリン注射もまったくなしで、3ヶ月後にはHbA1c6.2%となりました。
この糖質制限食第一号患者さんを経験した後は、目から鱗が落ちた思いで糖質制限食を研究することになりました。
その後、2002年に自分自身が糖尿病と発覚してから、さらに徹底的に勉強し、糖質制限食は糖尿病だけでなく、肥満やメタボリック・シンドロームを始めとして、様々な生活習慣病に効果があることを多くの症例を経験して確信しました。
糖質制限食というと変わった食事というイメージですが、実は人類本来の自然な食事、人類の健康食なのです。
人類が、ゴリラやチンパンジーと分かれたのが約400万年前です。
その後、7属23種の人類が栄枯盛衰・進化を繰り返し、現在残っているのは、現世人類(ホモ・サピエンス)だけです。
この間農耕が始まるまでの400万年間は、生業は狩猟・採集で、全ての人類が糖質制限食でした。
このように人類の栄養・代謝・生理すべて糖質制限食に適応するように進化してきていますし、勿論妊娠・出産・子育て・日常生活も糖質制限食の中で行われてきました。
農耕が始まり定着して最近の約4000年間だけが、主食が穀物(糖質)へと変化しました。
即ち穀物(糖質)を主食としたのは、人類の歴史の中でわずか1/1000の期間に過ぎないのです。
糖質制限食と高糖質食、どちらが人類にとって自然な食事なのかはいうまでもありません。
糖質制限食という人類の本来の食事、人類の健康食を実践することで、肥満や糖尿病やメタボといった様々な生活習慣病が改善するのもむべなるかなです。
本書が読者の皆さんの、肥満解消そして健康に役立てば幸いです。
江部康二
お久しぶりです。
体重はあんまり落ちないままですが、極端に増えないので最近は
これを維持しようと言う考えに変わってきました。
8月の初旬に肝臓に転移がまたまた見つかり、手術をする予定ですが、
血液検査のデータで、主治医にコレステロールが高すぎると言われました。
糖質制限していることは知らないので、仕方がないのですが、
この数字は糖質制限でも高すぎる数字なのかどうかを教えていただけませんか?
総コレステロール 318(H)
中性脂肪 93
HDLコレステロール 103(H)
LDL-C(F式) 196
でした。ちなみに食後1時間くらいの検査だったんですが、血糖は83でした。
いかがなもんでしょうか?
体重はあんまり落ちないままですが、極端に増えないので最近は
これを維持しようと言う考えに変わってきました。
8月の初旬に肝臓に転移がまたまた見つかり、手術をする予定ですが、
血液検査のデータで、主治医にコレステロールが高すぎると言われました。
糖質制限していることは知らないので、仕方がないのですが、
この数字は糖質制限でも高すぎる数字なのかどうかを教えていただけませんか?
総コレステロール 318(H)
中性脂肪 93
HDLコレステロール 103(H)
LDL-C(F式) 196
でした。ちなみに食後1時間くらいの検査だったんですが、血糖は83でした。
いかがなもんでしょうか?
2011/07/19(Tue) 20:27 | URL | みかん | 【編集】
みかん さん。
コレステロールが低いほどがんが増えることは、間違いありません。
各種論文で報告されています。
現時点でコレステロールは高い方がいいです。
さらに
Cancer Researchという雑誌は
2010年インパクト・ファクターは8.234
で一流紙です。
そのCancer Researchに論文が載りました。
A Low Carbohydrate, High Protein Diet Slows Tumor Growth and Prevents Cancer
Initiation
Cancer Res; 71(13); 4484?93. c2011 AACR.
http://cancerres.aacrjournals.org/content/71/13/4484.full
「低炭水化物高タンパク質食が、腫瘍の発育を抑制し、発がんを予防した。」
マウスの実験ですが、乳ガンねずみの発がんを低炭水化物食が予防したようです。
マウスの段階ですので、
まだまだヒトにそのまま当てはめることはできないと思います。
今後の検討が必要というパターンではあります。
しかし、理論的にはとても魅力的ですね。
コレステロールが低いほどがんが増えることは、間違いありません。
各種論文で報告されています。
現時点でコレステロールは高い方がいいです。
さらに
Cancer Researchという雑誌は
2010年インパクト・ファクターは8.234
で一流紙です。
そのCancer Researchに論文が載りました。
A Low Carbohydrate, High Protein Diet Slows Tumor Growth and Prevents Cancer
Initiation
Cancer Res; 71(13); 4484?93. c2011 AACR.
http://cancerres.aacrjournals.org/content/71/13/4484.full
「低炭水化物高タンパク質食が、腫瘍の発育を抑制し、発がんを予防した。」
マウスの実験ですが、乳ガンねずみの発がんを低炭水化物食が予防したようです。
マウスの段階ですので、
まだまだヒトにそのまま当てはめることはできないと思います。
今後の検討が必要というパターンではあります。
しかし、理論的にはとても魅力的ですね。
2011/07/19(Tue) 22:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
現在アメリカ在住で、先日日本で受けた健康診断により空腹時血糖値が113あり、境界型糖尿病と診断されているものです。
江部先生の著作を日本から取り寄せ読み込み、糖質制限食を実行しており、自分でも簡易測定器で血糖値をコントロールしており、いかに炭水化物が血糖値を上げるか、(肉、野菜、魚が上げないか)を身を持って実感しております。
本日当地米国で医者に行ったところ、もともと高脂血症も抱えていた私にWelchol(ウェルコール)という粉末の水にとかして飲む薬ともともと飲んでいたTricor(トライコア)の新しいバージョンでTrilipixという薬を処方されました。私はGlucobayを処方してもらいに行ったのですが、処方されすに、Welcholが出ました。。。。(意思疎通に疲れます)このWelcholがどこまで有効か分かりませんが、少なくとも膵臓を酷使させるタイプの薬ではないそうです。江部先生、もしご存知であれば、この薬の有効性についてコメントをいただけますと幸甚です。 ネットで調べたところ、血管の中でなく、腸内で作用し、HbA1CとLDLコレステロールの両方を下げる唯一の薬とうたわれております。
江部先生の著作を日本から取り寄せ読み込み、糖質制限食を実行しており、自分でも簡易測定器で血糖値をコントロールしており、いかに炭水化物が血糖値を上げるか、(肉、野菜、魚が上げないか)を身を持って実感しております。
本日当地米国で医者に行ったところ、もともと高脂血症も抱えていた私にWelchol(ウェルコール)という粉末の水にとかして飲む薬ともともと飲んでいたTricor(トライコア)の新しいバージョンでTrilipixという薬を処方されました。私はGlucobayを処方してもらいに行ったのですが、処方されすに、Welcholが出ました。。。。(意思疎通に疲れます)このWelcholがどこまで有効か分かりませんが、少なくとも膵臓を酷使させるタイプの薬ではないそうです。江部先生、もしご存知であれば、この薬の有効性についてコメントをいただけますと幸甚です。 ネットで調べたところ、血管の中でなく、腸内で作用し、HbA1CとLDLコレステロールの両方を下げる唯一の薬とうたわれております。
Kaz さん。
本のご購入ありがとうございます。
Welcholは高コレステロール血症の薬のようです。
Trilipixは、中性脂肪とLDL-Cを下げ、HDL-Cを増やすという効能の薬です。
以下は販売元のアボット社のサイトです。
http://www.trilipix.com/
女性でしたら、遺伝性家族制高コレステロール血症の人以外は、コレステロールの薬はいらないと思いますが。
2011.06.13 (Mon)のブログ「脂質栄養学会に追い風? 自治医大研究で低コレステロールと高死亡率が関連」
をご参照ください。
本のご購入ありがとうございます。
Welcholは高コレステロール血症の薬のようです。
Trilipixは、中性脂肪とLDL-Cを下げ、HDL-Cを増やすという効能の薬です。
以下は販売元のアボット社のサイトです。
http://www.trilipix.com/
女性でしたら、遺伝性家族制高コレステロール血症の人以外は、コレステロールの薬はいらないと思いますが。
2011.06.13 (Mon)のブログ「脂質栄養学会に追い風? 自治医大研究で低コレステロールと高死亡率が関連」
をご参照ください。
2011/07/20(Wed) 13:02 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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