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中年太りは何故起こる?(仮説)
こんにちは。

「20代、30代と体重はほとん変わらずに保っていたのに、40才の声を聞いたころから急に体重が増え始める・・・。」

簡単に言えばこれが中年太りです。

運動量も変わらず、食事摂取量も変わない、それなのに何故体重が増えるのでしょう?


<摂取エネルギーと消費エネルギー>

「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」

単純には、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば太り、下回れば痩せます。

中年太りでは、摂取エネルギーは不変です。

体重が増加するということは、必然的に

「摂取エネルギー>消費エネルギー」

となっているはずです。

消費エネルギーの中で、運動エネルギーと食事誘発熱産生は不変です。

そうすると、中年太りの原因は、基礎代謝の低下以外には考えられません。

体重が変わらないとしても、定期的に運動をしてない人は、経年的に徐々に筋肉量は減少していき、一方体脂肪量は増えていきます。

つまり、見かけ上の体重は変わらないとしても、中年になると筋肉が減り脂肪が増えているわけで、基礎代謝は低下していきます。

普通に糖質のある食事をすれば、正常人でもミニスパイク程度の食後血糖値の上昇があります。

130~140~160mg/dlくらいまで正常人でも血糖値は上昇します。

この時インスリンの追加分泌が、数倍~30倍くらい出ます。

筋肉細胞と脂肪細胞の糖輸送体はGLUT4で、いずれもインスリン追加分泌により細胞表面に上がってきて、血糖を取り込みます。

体重のうち筋肉の占める割合が筋肉率で、標準的には男性で31.0~34.9%です。

体脂肪率が、標準的には男性で19.9%以下で、平均15%くらいです。

女性では平均体脂肪率は、25%くらいです。

血糖値が上昇しインスリンが追加分泌されれば、GLUT4が細胞表面に上がり、筋肉細胞でも脂肪細胞でも血糖を取り込みます。

この場合、量的には筋肉細胞が脂肪細胞よりかなり多いので、脂肪細胞より沢山血糖を取り込みます。

そして、まず筋肉細胞のエネルギー源としてブドウ糖を利用し、そのあとグリコーゲンとして蓄えます。

しかし、筋肉細胞のグリコーゲン備蓄が満杯になれば、余った血糖は、あとは脂肪細胞に取り込まれます。脂肪細胞に取り込まれたブドウ糖は、中性脂肪として蓄えられます。

なお、インスリンとは無関係に、過剰に摂取したブドウ糖は肝臓で中性脂肪に合成され、VLDLとして肝静脈中に分泌されます。この肝臓で作った中性脂肪も、脂肪細胞に蓄積されます。

食後数時間以上絶食が続けば、脂肪が分解されて筋肉などで利用されます。

つまり食事によって脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪は、空腹時や夜間睡眠時には分解されて筋肉などで使われて消費されるわけです。

この『食事で蓄えられた中性脂肪』と、『空腹時や睡眠時に消費される中性脂肪』のバランスがとれていれば肥満(脂肪蓄積)は生じずにすみます。

しかし、中年になって筋肉量が減り基礎代謝も減少すれば、必然的に空腹時や睡眠時に消費される中性脂肪は減少していきますので、体脂肪量は増えていきます。

つまり、体重は不変でも筋肉率は減少し、体脂肪率は上昇している段階です。筋肉量・筋肉率が減少すれば食後に取り込める血糖も減少し、その分脂肪細胞に取り込まれる血糖が増えます。

いったん、『食事で蓄えられた中性脂肪』と『空腹時や睡眠時に消費される中性脂肪』のバランスが崩れてしまうと、あとは転がるように悪循環して肥満が進行するでしょう。



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
早速のお返事
ありがとうございました。
遺伝性の糖尿病でも色んなタイプがあるのですね。

江部先生のおっしゃる事に少し恐怖を感じましたが、将来そうならないように
頑張って糖質制限を続けていこうと思います。

ご紹介いただいた糖質制限食も利用してみようと思います。ありがとうございました。
2011/04/19(Tue) 19:41 | URL | かりんとう | 【編集
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