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被災地とインスリン不足と糖質制限食
こんにちは。

ジミーさんから、インスリン不足と糖質制限食について、コメントいただきました。


「11/03/14 ジミー
緊急事態です。
初期のころから先生のブロブを見ているジミーです。
地震でインシュリンが不足している地域に警告をしてください。
このページを見ている皆さんもお願いします。
糖質を摂取しなければ糖尿患者でも問題ないことを!
お願いします。」



ジミーさん。
コメントありがとうございます。

被災地の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

東日本大地震で被災された糖尿人で、インスリン注射をしておられた場合、 現在インスリンが手に入りにくい状況もあると思います。

血糖値を上昇させるのは、糖質・タンパク質・脂質のうち糖質(炭水化物)だけです。

2型糖尿病なら、インスリン注射を打たなくても、タンパク質・脂質を中心に摂取して、糖質(炭水化物)を極力制限すれば、血糖値はほとんど上昇しません。

タンパク質・脂質が主の食品、例えば、

スーパーやコンビニのナッツ類やチーズやビーフジャーキー、サラミ・・・

糖質制限食OKのコンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、カキ、ホタテ、豚肉、アスパラ・・・などの缶詰、

ハム、ソーセージ、ベーコン、卵製品・・・野菜・・・

などが手に入るかもしれません。

牛乳やプレーンヨーグルトも100g中に5gの糖質を含有ですので、大量でなければ血糖値の上昇も大きくはありません。1gの糖質がピーク3mg血糖値を上昇させます。

被災地では炭水化物以外の食品が手に入りにくい状況とは思いますが、もし上記のような食品が手に入れば、インスリン注射なしでも、血糖値の上昇は少なくてすむと思います。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
No title
高雄病院に通院する生駒山です。先週の金曜日に検診を受診しましたところ、A1Cは5.0となりました。主治医の宗本先生からお褒めの言葉をいただきました。その際に不思議だったのは、クレアチン値も下がってきたと言うことです。一時、1.2まで上昇しシスタチン値まで測定してもらいましたが、今回は0.9台まで下がってきました。
また、尿蛋白も+2だったのが±まで下がってきました。
宗本先生のご判断はまあまあ大丈夫なので、検診の間隔も伸ばしましょうとおっしゃいました。
江部先生のお話ではクレアチン値は不変とのことでしたが、私の場合は下がってきました。好転しているので良しとしております。
宗本先生のご判断は、食事療法もさることながら痩せたこともあり体質改善がされてきたのではと言うことでした。ご報告まで。
最後に今回の震災に被災された皆様に対しお見舞い申し上げます。
2011/03/14(Mon) 17:21 | URL | 生駒山 | 【編集
Re: No title
生駒山さん。

腎機能に関して、血清シスタチンCが一番鋭敏な検査ですので、
それが正常なら腎機能異常の心配は少ないです。
クレアチニンも時に腎機能以外の要素で上昇することがありますが、
1.2→0.9ならますます安心ですね。

タンパク尿が(2+)→(±)
これは素晴らしい改善ですね。
HbA1c:5.0%、
血糖コントロール良好~優を保った成果ですね。
さらに尿中微量アルブミンも30未満の基準値を目指してください。
2011/03/14(Mon) 19:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
冷蔵庫要らずの糖質制限食
被災地保存食なら、ツナ缶、鯖の水煮缶、 剥き胡桃


手っ取り早く食べられるのが厚揚げ、味付けは一味からしとマヨネーズ
ハンバーガー感覚で・・・
お腹を膨らますだけならこんにゃくも
2011/03/15(Tue) 05:36 | URL | 甘いみかん | 【編集
血糖は測定しなければわかりません。
 補足させてください。

 カキ、ホタテ(特に貝柱)は要注意です。
 乾燥させてすりつぶすと白い粉――グリコーゲンがいっぱいだそうです。
 それぞれ五訂食品成分表でも、100g中5gの糖質を含有していますが、獣肉類、魚肉類と違って、脂質がほとんどないため吸収が非常に早くなります。
 牛乳よりもリスクがあると言えます。
 ごはんなどとセットしない場合、100gじゃとても足りません。野菜で胃を充満させるべきでしょう。
 水分も有効なので、やっぱり鍋ですね。刺身はダメでしょう。

 ハム、ソーセージについては、海外のものと違って、日本の食品メーカーの場合、商品に記載されている栄養成分表の確認が必要です。
 特にバーゲンの目玉となっているものは、見せかけの増量目的によりほとんどがブドウ糖のかたまりです。
 魚肉ソーセージは、蒲鉾などの水産練り製品と同じですので、つなぎとして澱粉が使用されています。ブドウ糖による増量よりましに見えますが、ほとんどの場合、吸収迅速なジャガイモ系澱粉です。
 さらには、五訂でも100g中12.6gあることになっていますが、商品によってはブドウ糖液糖による増量で、もっと多いものもあります。ご注意。

 牛乳も100g(100ml)では物足りない場合が多いと思われます。
 コップ一杯がその倍であり、牛乳好きな方であれば2杯、3杯となりがちです。
 美味しい北海道の牛乳を毎日1000ml飲むのが健康のもととかおっしゃる10年来の2型糖尿病患者さんがいらっしゃいました。食品交換表による主食摂取の他にそうされていたようです。
 長年、ヘモグロビンA1c6%未満で管理されていたのに、突如下がらなくなり、心疾患発生。
 問題点は明らかかとも思われますが、ご本人はいまだに食後のSMBG(血糖自己測定)をされていないため詳細は不明です。
 どうかと思うのですが、それは測定が常識化した今だから言えることです。Dr.バーンスタインの努力に感謝です。

 また耐糖能異常(IGT)は人それぞれです。
 1gの糖質が5mg/dl以上血糖値を上げる方もいらっしゃるし、1mg/dlとほとんど健常人並みなのに、朝、昼、夜など特定時間帯で急上昇される方もいらっしゃるようです。オーダーメイド医療は、つまりは自己管理ってことです。面倒ですが、上記の方のように、心疾患で好きなアマチュアスポーツもできなくなったと嘆きたくはありませんものね。

 さて、それ以前の問題についてコメントします。

 このような大震災の場合、もっとも手に入りにくい栄養素が蛋白質です。
 そもそも、おにぎり、乾パンなどの糖質主食であっても入手困難であることは、各種報道でも確認できます。水すら手に入らないのです。
 スーパーなどからの通常購入は当面困難でしょう。
 沿岸ですから魚肉関係の入手は可能かもしれませんが、火が使えない以上、低温の季節とはいえ、腐敗などによるリスクがあります。

 ここは緊急事態です。話を逆転すべきでしょう。
 高血糖、高血圧、高コレステロール状態を長期間継続して起こる糖尿病性各種合併症の発症リスクと、明日、それ以前に、今日生きるための生活エネルギーを確保すること。
 そのどちらを優先するか? 

 こうした際にこそ、日々のSMBG(血糖自己測定)データ。カーボカウントしてきたことに価値が出ます。
 食後2時間後の血糖値を200mg/dlとするか、250mg/dlまで許容するか? 
 食事間隔をどの程度にすれば、上記基準を維持できるか? 
 その時、自分の耐糖能はで摂取可能な糖質は何gなのか? 

 インスリン分泌が枯渇されている1型の方は、血糖値を考慮すると食事が不可能となっている可能性があります。水だけでも1週間以上生きられるでしょうが、食べなくても、体内の糖新生で高血糖ケトアシドーシスに陥る危険性があります。
 声を上げて、インスリンの配給を求めることは当然ですが、多少でもインスリン分泌のある方は、1型患者さんに優先的に譲ることも考慮していただきたいものと考えます。
2011/03/15(Tue) 06:58 | URL | YCAT | 【編集
糖尿病患者の相談先
至急、困っている方へ先生お願いします。

日本糖尿病学会は14日、東日本巨大地震で被災した糖尿病患者が外来や電話で相談できる病院を発表した。外来診療も可能な病院ではインスリンの提供も行う。

 岩手県は岩手医科大学病院(外来診療可、電話019-651-51111)

宮城県は東北大学病院 (電話022-717-7611、夜間 電話022-717-7856)

福島県は福島県立医科大学病院 (外来診療可、電話024-547-1111)、福島県立会津総合病院 (同、電話0242-27-2151)、 総合磐城共立病院 (同、電話0246-263151)、 たねだ内科クリニック (同、電話0246-45-3303)

茨城県は日立総合病院 (電話0294-231111)


避難所では炭水化物以外入手困難な状況と思われます。またコンビニ等で買うのも難しいかと。
このような状況下において、先生よろしくお願いします。


辛く苛酷な方々に心よりお見舞い申し上げます。
心を寄せて、祈っています。


2011/03/15(Tue) 09:21 | URL | LAETA | 【編集
炭水化物に対する耐性
私は、東京に住んでいます。
今回の事を受けて、コンビニやスーパーを回ってみたのですが、チーズとかナッツ類は結構売れ残っていました。ということで、我々糖尿人は多少出遅れてもチーズとかナッツ類は購入出来そうな感じでした。
店の人の話だと水とカップ麺とパンはあっという間に売り切れたみたいですが。

さて、私は自分がどの程度の炭水化物を食べると血糖値がデッドライン(180mg)未満で済むのかを調べています。
これは今回の話を想定していたわけでは無く、単に自分が炭水化物に対する耐性がどの程度残っているかを興味本位で調べたくて血糖値測定を行っていました。

個人個人で違うとは思いますが、私は、食パンなら1枚、コンビニおにぎりなら3/4個程度ならギリギリ180未満で済みます。
また、面白いことに、一般人と同量の炭水化物を取った場合、疲れる運動するよりもダラダラとした散歩を2時間程度していた方が、180未満に押さえられます。

この機会ですので、漠然と不安に駆られるより、どの程度までなら大丈夫かって事を予め色々なパターンで調べておいた方が良いと思いますよ。

あと、前に江部先生が書かれていたように、小分けにして食べるのは非常に有効だと思います。

皆さんの参考になれば幸いです。
2011/03/15(Tue) 16:21 | URL | ざと | 【編集
ありがとうございます
父が2型糖尿病要インシュリン患者で今回の津波でタイミング悪く薬が手に入らなくなったという連絡をうけ、応急処置としてナッツチーズを食べて、病院に相談しに行ってもらった所ストレスの為か多少上昇があったものの何とか危機的状況を切り抜けることができました。担当医師は何も食べてないはずなのに元気だねと言っていたらしく、父が「実は」と話したら災害時にはそれもありか・・・といっていたらしいです。
江部先生に心より感謝いたします。本当にありがとうございました!

追伸:「現在ナッツもチーズも手に入らないけどおにぎり食べてインシュリンを打って元気だ!やっぱり日本人は米だ!」と連絡を受け一瞬安心しつつ今後のグルコスパイクの影響を考えると複雑です。
2011/03/20(Sun) 22:51 | URL | MD11 | 【編集
牛乳について
初めてメールさせていただきます。5年前に本屋で何気なく先生の著書を手にして、2ヶ月ほど糖質制限食を試みて、HbA1c値9.6→6.4になったとたん、また不摂生な生活に戻ってしまった不届き者です。
現在、一念発起して糖質制限食をやろうと思っています。
ところで、私は牛乳が好きで朝一番で200ccほど飲むのを日課としてきましたが、先生の著書では牛糖が含まれているとして牛乳は禁止です。パッケージの成分表には糖質分は表記されていないのですが…文部科学省の食品データベースを検索すると、炭水化物4.8gと表示されます。多分このことを言っているのかとは思いますが、本当に牛乳はだめでしょうか?
2011/03/21(Mon) 09:51 | URL | We shall overcome | 【編集
Re: 牛乳について
We shall overcome さん。

牛乳100mlに、4.8gの糖質と考えていいです。

200mlなら9.6gの糖質なので、<9.6g×3mg=28.8mg>
約30mg血糖値を上昇させます。

糖質制限食では、1回の食事で摂取する糖質を10~20gまでをめざします。

牛乳もその範囲で利用していただけばいいです。
例えば、コーヒーに10ml入れても全く量的には問題ないですね。
2011/03/21(Mon) 17:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限食の岩手、もしくは宮城の医療機関
糖尿病になって14ねん、3年前から糖質制限食を始めたが、HbA1cは6%後半から7%前半です。糖質制限食を指導している医療機関(岩手、宮城)を紹介していただけませんか
2011/10/21(Fri) 21:05 | URL | 佐藤かえで | 【編集
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