2010年09月26日 (日)

こんばんは。
日本初の糖質制限食コミック
「うちの母は糖尿人」東洋経済新報社
監修 江部康二
著 伊藤きのと
が、2010年9月発売となりました。
そこそこ売れていますが、もう一頑張りです。
漫画好きの私としては是非ブレークして欲しい本です。
9月、3回目の記事です。漫画好きの糖尿人の皆さん、是非ご一読のほど。
読みやすくて、わかりやすくて、コミックならではの傑作です。
活字が苦手の方でもOKな、お奨めの作品です。ご一読頂けば幸いです。
著者 伊藤きのと さんの
ホームページが 「そらのした」
ブログが 「そらのしたBLOG」
です。
本ブログにリンクしてありますので、読者の皆さん、是非覗いてみてくださいね。
以下は、「うちの母は糖尿人」に書いた、漫画大好きな私の「あとがき」です。
<あとがき>
伊藤きのとさんから初めて手紙をいただいたときは、見知らぬ若い女性から何故?と疑問に思ったものです。その後連絡を取り合っているうちに、江部診療所に長年通院しておられる女性患者さんのお孫さんだということがわかりました。つまり、私の患者さんの娘さん(伊藤きのとさんのお母さん)が糖尿人となられ、そこからこの物語が始まったわけです。
きのとさんのあとがきにもでてきますが、「糖尿人」という言葉は私の造語です。糖尿病の患者とか糖尿病の人とか、何だか堅苦しくて楽しくないです。英語で糖尿病患者のことを、「People with Diabetes」といいます。「糖尿病と共にある人」ではますます面白くないので、ユーモア感覚で「糖尿人」と造語してみました。世の中は正常人、境界人、糖尿人で構成されてます。作家宮本輝先生との対談本「我ら糖尿人、元気なのには理由がある」でも使わせていただきました。糖尿人、宮本輝先生にも気に入っていただけたようです。きのとさんもご指摘のように、我ら糖尿人は糖質さえ食べなければ健常であり病人ではないのです。
さて、きのとさんの手紙には「スーパー糖質制限食で糖尿病をコントロールした母親の体験記をコミックで描きたい」という企画が提案してありました。かくいう江部康二、根っからの漫画好きでして、小学校のころから毎週、毎月欠かさず何冊も読んでいて、週刊少年サンデー、週刊少年マガジン、週刊少年ジャンプなどは創刊号から今にいたるまで愛読書です。一時は少女漫画にまで手を出していました。
そういう私ですので、きのとさんの企画、まさに渡りに船というのりで、東洋経済新報社さんに相談したところ、こころよく承諾いただきました。編集部の佐藤未来さんありがとうございました。おかげさまで、日本初の糖質制限食コミックが誕生することとなりました。本コミックには、糖質制限食実践の苦労話がいろいろ盛り込んであり、楽しく読んでいくなかでノウハウやコツがわかりやすくつかめる仕組みになっています。
きのとファミリーみんなで、糖尿人のお母さんをサポートしている雰囲気が漫画やストーリーからほのぼのと感じられて、温かいです。糖尿人も孤独には弱いです。支えてくれる家族の絆はとても大切です。
糖尿病の治療というと、厳格なカロリー制限の食事療法、お酒は飲んではだめ、運動療法、内服薬、インスリン注射・・・。複雑で時間がかかり、我慢と苦痛を伴う治療を長期間続けなくてはならないのですから、糖尿人は結構大変です。しかもカロリー制限の食事療法を続けている限りは、HbA1c6.5%未満のコントロール良好な糖尿人は、インスリンを打っても薬を飲んでも、統計的には30%未満しかいないのです。
つまり、現状では、大多数の糖尿人はコントロール不良で、医師や栄養士から無言の非難を浴びてる感じだし、自分でも言われたとおりにちゃんと食事も運動もしているのに「なぜだー!」という心境でしょう。こうなると投げやりになったり、うつっぽくなっても不思議ではありません。きのとさんのお母さんもいっときは、うつっぽくなって暗かったようです。実際、糖尿病とうつ病ですが、米国の医学雑誌に『糖尿病患者はうつ病になるリスクが2倍も高い』という論文がのったことがあります。つまり、糖尿人はうつになりやすいようですし、また厄介なことに、うつがあると糖尿病も悪化しやすいという側面もあります。
糖尿人にとってややつらいお話でしたが、救いはあります。糖質制限食だと、カロリー計算は要らないし、お酒も飲めるし、お肉もお魚も食べ放題・・・運動も別にしなくてもOK・・・。カロリー制限の糖尿病食に比べれば、面倒くささや制約が、ほとんどありません。
唯一、糖質さえ制限すれば、あとは自由ですので、長期に渡って実践でき、苦痛は少なく、心理的にはずいぶん楽ですね。きのとさんのお母さんも糖質制限食と出会ってからは、心理的にもめきめき元気を取り戻しておられます。
本書を手にとっていただいた糖尿人の皆さん、糖質制限食で元気に健康ライフをお過ごし下さい。
江部康二
コミック買って読みました。分かりやすくて楽しいです。落ち込んだときのようすもコミックらしくていいです。ご当人・ご家族はたいへんだったでしょうが、逆に、乗り越えられる勇気をもらえると思います。「主食を抜けば・・・・」も知り合いに貸してお勧めしていますが、これも身近な皆さんにお勧めします。みんな早く気がついて、糖質制限食をやってくれればいいのにと思います。
ゆきさん。
本のご購入そして啓蒙活動、ありがとうございます。
本のご購入そして啓蒙活動、ありがとうございます。
2010/09/28(Tue) 09:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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