糖質制限食と免疫力向上。
こんばんは。
今回は糖質制限食と免疫力について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、
抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは
「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが
存在しています。
第一段階 防御=「粘膜免疫」
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
しかし、これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。
第二段階 攻撃=「全身免疫」
病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。
また、体内で生まれたがん細胞のような“ 異物” を攻撃するのも、全身免疫の役割です。
さて糖質セイゲニストにおいては、
糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEsの蓄積が少ない>
①②という二つのアドバンテージがあります。
<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
SGLT2阻害薬の臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。
その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、
おおいに心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
また、近年「慢性炎症」が注目されています。
慢性炎症を伴う病気として
ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患が良く知られています。
最近の研究によって、これまで慢性炎症との関連についてはほとんど顧みられなかった病気でも、
実は慢性炎症が関わっていることがわかってきました。
加齢とともに増加するがん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患、さらには老化そのものも、
慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきたのです。
この慢性炎症がどのようにして生じるのかはこれまで不明でしたが、
近年、インフラマソーム(☆)と呼ばれる自然免疫経路を介して
動脈硬化の炎症反応が起こっていることが明らかとなっています。
インフラマソームは、2型糖尿病・動脈硬化・アルツハイマー病・老化などにおいて炎症応答を促進します。
ケトン体の中でも、βヒドロキシ酪酸は、インフラマソームを抑制することがわかっています。
糖質制限食により身体の様々な慢性炎症が治まれば、当然免疫力は高まります。
<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、
以降は70歳現在まで18年間スーパー糖質制限食を続けています。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、
聴力低下、夜間頻尿など所謂老化症状の元凶と言えます。
従いまして、同年代の糖質を摂取している人に比べたら、
糖質セイゲニストは、老化の少ない分、
免疫力はかなり高いと思います。
私も糖尿病という持病はありますが、血糖コントロール極めて良好で、
AGEsの蓄積も最小限ですんでいるので、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
(☆)インフラマソーム
複数のタンパク質からなるタンパク複合体で、
主に自然免疫細胞を中心に発現し、
感染や傷害に伴う危険シグナルに応答 して、
炎症反応の誘導や進展に重要な役割を果たしていることが
明らかになっている。
江部康二
今回は糖質制限食と免疫力について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、
抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは
「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが
存在しています。
第一段階 防御=「粘膜免疫」
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
しかし、これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。
第二段階 攻撃=「全身免疫」
病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。
また、体内で生まれたがん細胞のような“ 異物” を攻撃するのも、全身免疫の役割です。
さて糖質セイゲニストにおいては、
糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEsの蓄積が少ない>
①②という二つのアドバンテージがあります。
<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
SGLT2阻害薬の臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。
その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、
おおいに心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
また、近年「慢性炎症」が注目されています。
慢性炎症を伴う病気として
ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患が良く知られています。
最近の研究によって、これまで慢性炎症との関連についてはほとんど顧みられなかった病気でも、
実は慢性炎症が関わっていることがわかってきました。
加齢とともに増加するがん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患、さらには老化そのものも、
慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきたのです。
この慢性炎症がどのようにして生じるのかはこれまで不明でしたが、
近年、インフラマソーム(☆)と呼ばれる自然免疫経路を介して
動脈硬化の炎症反応が起こっていることが明らかとなっています。
インフラマソームは、2型糖尿病・動脈硬化・アルツハイマー病・老化などにおいて炎症応答を促進します。
ケトン体の中でも、βヒドロキシ酪酸は、インフラマソームを抑制することがわかっています。
糖質制限食により身体の様々な慢性炎症が治まれば、当然免疫力は高まります。
<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、
以降は70歳現在まで18年間スーパー糖質制限食を続けています。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、
聴力低下、夜間頻尿など所謂老化症状の元凶と言えます。
従いまして、同年代の糖質を摂取している人に比べたら、
糖質セイゲニストは、老化の少ない分、
免疫力はかなり高いと思います。
私も糖尿病という持病はありますが、血糖コントロール極めて良好で、
AGEsの蓄積も最小限ですんでいるので、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
(☆)インフラマソーム
複数のタンパク質からなるタンパク複合体で、
主に自然免疫細胞を中心に発現し、
感染や傷害に伴う危険シグナルに応答 して、
炎症反応の誘導や進展に重要な役割を果たしていることが
明らかになっている。
江部康二