すき家で昼食、生協の食材で夕食、糖質制限合格点。
こんばんは。

2017/7/24(月)高雄病院京都駅前診療所の外来がとても忙しくて
患者さんには申し訳なかったのですが、
午前9時~午後2時くらいまでかかりました。
60人くらいの患者さんで、予約制ではあるのですが、
ピークは90分待ちくらいになってしまいました。

昼食は、すき屋しか営業してなかったので、
久しぶりに行きました。
駅前診療所から徒歩で1分くらいのロケーションです。

14:20 血糖値:100mg
14:25 牛丼ライト(つゆ抜き)、おんたま2個、鮭、豚汁を食べました。
合計¥930-でした。
15:25 食事開始後1時間血糖値:124mg
16:25 食事開始後2時間血糖値:128mg
と、私にしては珍しく、食後2時間のほうが少しだけ高かったです。
通常は、食後60~90分が食後血糖値のピークです。
ともあれ、食後血糖値は28mgの上昇なので、
糖質量は9.3gです。
私の場合、1gの糖質が食後血糖値をピークで3mg上昇させますので
2型糖尿人のごく一般的なタイプです。。

月曜日の夜は、連れ合いが江部診療所の夜診で仕事なので、
私は一人飯です。 ( ̄_ ̄|||)
昨日の月曜日は、レストランに行くのが面倒くさかったので、
生協で買い物して間に合わせました。

帰宅して
20:24 血糖値:104mg
生協で、カンパチと甘エビの刺身(半額)、イカの刺身(20%引き)
鶏モモ塩串焼き2本(半額)、出汁巻き(半額)、
冷やし茶碗蒸し、海草と大根サラダ、
別に狙ったつもりではないのですが、( ̄∇ ̄;)
午後8時前の買い物だったので、割引きが多かったです。  

糖質ゼロ発泡酒350mlを1缶飲みました。
サラダには、マヨネーズをたっぷりつけて食べました。
刺身は半額とかで安かったので沢山買いましたが
結構、動物性タンパク質が多いですね。
結構、美味しくて満足・満腹・糖質制限な夕食でした。

21:24 食事開始1時間後血糖値:123mg
21:54 食事開始90分後血糖値:131mg
22:24 食事開始2時間後血糖値:99mg

夕食では、食事開始後90分が血糖値上昇のピークでした。
27mgの上昇なので、食事の糖質量は9gと推測されます。

昼食、夕食とも、糖質量は10g以下で
食後血糖値は140mgを超えることもなく、
合格点ですね。  (^^)     


江部康二
「糖質制限食講演会 in 広島」 講演会&懇親会のご案内
こんにちは。

2017年9月10日(日)10:30~13:30頃
広島市で、一般向けの糖質制限食講演会を開催します。

過去、広島市では保険医協会主催など、医師向けの講演会はしたことがありますが、
一般向けの講演会は、広島市では初めてとなると思います。

私は牛田小学校→修道中学校→修道高校→京大医学部
といった経歴ですので、広島とはとても縁が深いです。

父、故江部喜一郎も70歳までは、広島市の八丁堀で開業していました。
今は当たり前となったビルドクターの走りでした。
自宅は別にあって、仕事場はビルの一角でというパターンです。

このような事情なので、広島の街は懐かしさでいっぱいです。
2018年3月18日(日)には、ホテルグランビア広島で、
修道高校の同窓会があり、私も出席します。
修道高校卒業50周年記念同期会です。
こちらも懐かしい顔ぶれに会うのが楽しみですが、
50年ぶりの同級生も沢山いるので顔がわかるか否かかなり不安です。

さて、
糖質制限食講演会 in 広島市(2017/9/10、日曜日)
は、
広島県福山市の瀬尾一史先生
山口県周南市の花岡篤哉先生
高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士
にも、登場していただき、盛りだくさんの内容です。
勿論、私もトリをつとめさせていただきます。

広島市、広島県、中国地方の皆さん
是非、奮ってご参加くださいね。
お待ちしております。

そうそう、講演会の前夜(9/9土)に
八丁堀福屋さん近くの海鮮居酒屋さんで懇親会を催します。
2017年9月9日(土) 18:00~(2時間程度)

こちらも、奮ってご参加のほどよろしくお願い申し上げます。


江部康二



以下、事務局からのお知らせです。

***********

ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、
ありがとうございます。

9月10日(日)、広島市内で 一般の方向けの講演会を開催いたします。

第1部では、「糖質制限のすすめ」と題して、 広島県福山市の瀬尾一史先生(瀬尾クリニック)と 山口県周南市の花岡篤哉先生(新南陽整形外科クリニック)が、クリニックでの糖質制限の啓蒙やご指導とその効果などについてお話しくださいます。

第2部では、高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士が、 「糖質制限 実践のイロハ」と題して、楽しく、正しく実践するための基本やコツ、注意点などを事例も交えてお話しします。

第3部では、理事長が「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」と題して講演。
15年に渡って実践・指導してきた「糖質制限食」について、 糖尿病やメタボなど生活習慣病の改善をはじめ、多くの良い効果をもたらす理由や仕組みを解説いたします。

また、講演会の前夜(9/9土)に懇親会を催します。
八丁堀福屋さん近くの海鮮居酒屋さんで、楽しく交流しませんか。

中国地方にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

◆掲載サイト: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

★8/6(日)大阪講演会・交流会につきまして★
 たくさんお申し込みくださり、誠にありがとうございます。
 あと若干名様ずつ空きがございまして、引き続き、お申し込み受付ております。

///////////////////ご案内/////////////////////

  (一社)日本糖質制限医療推進協会主催

     糖質制限食講演会 in 広島

■日時:9月10日(日)10:30~13:30頃 ※開場・受付は10:10~

■会場:広島市まちづくり市民交流プラザ
    (合人社ウェンディひと・まちプラザ)北棟 6階
    「マルチメディアスタジオ」

    広島市中区袋町6番36号(袋町小学校と併設)
    http://www.cf.city.hiroshima.jp/m-plaza/kotsu.html

■内容:

◇第1部:「糖質制限のすすめ」

 1. 瀬尾 一史 医師 瀬尾クリニック(広島県福山市)

 2. 花岡 篤哉 医師 新南陽整形外科クリニック(山口県周南市)

◇第2部:「糖質制限 実践のイロハ」

 橋本 眞由美 管理栄養士 (財)高雄病院 栄養管理部長/当会アドバイザー

◇第3部:「糖尿病・生活習慣病を予防&改善する食事法
        ~糖質制限食は、人類本来の食事、人類の健康食」

 江部 康二 医師 (財)高雄病院理事長/当会理事長

◇質疑応答

※第1部40分、第2部30分、第3部60分、質疑応答20分程を予定しております。

■受講費: 賛助会員 2,000円 / 一般(会員以外の方) 2,500円


◇◆◇ 広島交流会 ◇◆◇

◆日時: 2017年9月9日(土) 18:00~(2時間程度)

◆場所: さかな市場はなれ 立町店
     広島市中区立町6-1 立町ウイングB1F
     https://r.gnavi.co.jp/y017604/map/

◆参加費: 賛助会員 5,500円 / 一般(会員以外の方) 6,000円


<以下広島講演会、交流会共通>

■お申し込みの流れ:

1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:

 事務局へ、メールにて参加ご希望のイベント名(9/10広島講演会、9/9広島交流会)、
 ご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
 ※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
 
★賛助会員入会をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

 2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
   「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
   「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/10広島講演会、9/9広島交流会)を
   ご記入下さい。
   http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
  
★一般(会員以外の方)で、講演会、交流会参加のみご希望の方:

 下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-hiroshima


◆その他:

・予約制です。当日参加はできません。

・講演会のキャンセルは9月8日(金)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

・交流会のキャンセルは9月6日(水)までに事務局へご連絡願います。
 それ以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。

∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪∽♪∝♪∞♪
DPP-4阻害剤。低血糖を起こしにくい。SU剤との作用機序の違い。
こんにちは。

2010年に承認されたDPP-4阻害剤は、
2017年現在、日本でもっとも使用頻度が高い経口糖尿病薬です。
日本の糖尿病治療薬として定着したと考えられます。
低血糖を生じにくいので、使いやすいと考えられます。

それでは、
DPP-4阻害剤(ジャヌビア、グラクティブ、トラゼンタ、ネシーナ、エクアなど)と
SU剤(アマリール、グリミクロン、オイグルコンなど)の
作用機序の違いについて、考えて見ます。

DPP-4阻害剤が関与するインクレチンがインスリン分泌を促す仕組みと、
SU剤がインスリン分泌を促す仕組み(☆)は、異なっています。

まず、SU剤の作用機序です。

難しい箇所は省いて、超簡単に言うと、SU剤はβ細胞表面のSU受容体と結合して、
カリウムチャンネルを閉じっぱなしにしてしまい、
その結果カルシウムが細胞内に流入してインスリンを分泌させます。

この場合、SU剤の作用時間(12~24時間)の間は、
血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。
だから低血糖が生じやすいのですね。

そして、インスリンを分泌しっぱなしのβ細胞が、
疲弊していく可能性があるわけです。

まあ、人為的に無理矢理カリウムチャンネルを閉じて、
β細胞を騙しているようなものですかね。


次にインクレチンとDPP-4阻害剤について考えて見ます。

インクレチンは、食事摂取により消化管から分泌され、
インスリン分泌を促進するホルモンで、
上部小腸にあるK細胞から分泌されるGIPと、
下部小腸にあるL細胞から分泌されるGlp1があります。

Glp1の主な生理作用はインスリン分泌促進作用ですが、
それ以外に膵グルカゴン分泌抑制作用、消化管運動抑制作用、
インスリン感受性亢進作用、そして膵β細胞保護・増殖作用が認められています。

GIPはGlp1に比べると作用は弱いとされています。

そして、Glp1やGIPを分解するDPP-4という酵素を阻害して分解を抑制し、
血中濃度を上昇させて保つのがDPP-4阻害剤です。

つまり、通常の食事では半減期が2分で失活が早いインクレチンというホルモンを、
DPP-4阻害薬によりDPP-4をブロックすることで、血中に保つわけです。

インクレチンは糖質や脂質を摂取すると消化管から分泌されて、
β細胞のインクレチン受容体に作用してβ細胞内のサイクリックAMPを上昇させ、
インスリン分泌の増幅経路に働きます。

こちらは、糖質を食べて血糖値が上昇してβ細胞内にとりこまれてATPが産生されて、カリウムチャンネルが閉じてカルシウムが細胞内に入ってきたときだけ、
増幅経路に働いてインスリンを分泌させます。

血糖値が下がって108mg/dlくらいになると、
β細胞はブドウ糖を取り込まなくなり細胞内カルシウムは増加しないので、
インクレチン濃度が高くても増幅経路は作用せず、インスリンは分泌されません。

インクレチンによるインスリン分泌促進作用はグルコース濃度依存性のものであり、
低血糖を起こさないと考えられます。即ち血糖値の上昇に応じて、それが高いほどインクレチンによるインスリン分泌促進作用が発揮されると考えられます。


はてさて、どうころんでも、結構難しいお話しですね。 ε-(-Д-)

<糖質摂取後、インスリン分泌に到る流れ>

以下は、糖質摂取後、インスリン分泌に到る一連の流れです。

①糖質摂取→血糖値上昇→糖輸送体でβ細胞内にブドウ糖取り込み→β細胞内ATP上昇→Kチャンネル閉鎖→脱分極→カルシウムチャンネル活性化→細胞内カルシウム濃度上昇→インスリン分泌


上記の一連の流れの過程において、インクレチンによる「β細胞内サイクリックAMP上昇」が加わると『Kチャンネル閉鎖』や『カルシウムチャンネル活性化』が促進されインスリン分泌が増幅されます。
さらにサイクリックAMP上昇はインスリン分泌を直接促進させるとされています。

このようにインクレチンは、β細胞内サイクリックAMP上昇を増幅させて、
ブドウ糖濃度が高いときにだけインスリン分泌を促します。


こういう作用機序なので、
インクレチンは血糖値が高いとき、その高さに応じてインスリン分泌作用を有し、
108mg/dl以下に血糖値が下がってきたら
インスリン分泌作用がなくなるわけなので、
単独使用では低血糖は理論的には起こりません。

またSU剤のように、24時間β細胞を鞭打つといった側面は皆無なので、
β細胞も疲弊しないのだと思います。

なお2型糖尿人では、血中Glp1濃度の低下が認められ、
膵β細胞におけるGlp1によるインスリン分泌の感受性も低いと言われています。

その意味では、
DPP-4阻害剤は、初期の糖尿病患者には特に有効性が高い可能性があります。



江部康二


(☆)<SU剤の作用機序とブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路>

血液中のブドウ糖濃度が上昇すると、ブドウ糖は膵臓のβ細胞の表面に発現するGLUT2(糖輸送体2)により、
細胞の中に取り込まれます。

取り込まれたブドウ糖は代謝を受け、ミトコンドリアでATP(エネルギー)が産生されます。
このATP濃度が増すと、β細胞表面のカリウムチャンネルが閉じます。

そうするとKが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じます。
その結果、カルシウムチャンネルが活性化しカルシウムが細胞内に流入します。
カルシウム濃度が上昇すると、β細胞は活発になり、インスリンを分泌します。

この一連の流れが、ブドウ糖刺激による一般的なインスリンの分泌経路です。

SU剤は、カリウムチャンネルの一部を構成するSU受容体と結合して、ATP濃度とは無関係にカリウムチャンネルを閉じてしまいます。

SU剤によりカリウムチャンネルが閉じてしまえば、上述の一般的なインスリン分泌経路の一連の流れと同様に、

(Kが細胞外にでなくなり、細胞膜の脱分極が起こり細胞内外で電位差が生じ、カルシウムチャンネルが活性化し)

カルシウムが細胞内に流入しカルシウム濃度が上昇し、β細胞は活発になりインスリンを分泌します。

この場合、SU剤の作用時間(12~24時間)の間は、血糖が高かろうが低かろうが関係なく、ずっとインスリンはだだ漏れ状態です。
だから低血糖が生じやすいのです。
アクトス(ピオグリタゾン)。男性の膀胱癌リスクあり?なし?
こんばんは。
今日は、アクトスについて考えて見ます。

武田薬品のアクトス(ピオグリタゾン)は、
ビグアナイド系薬(メトホルミンなど)と同じように
インスリン抵抗性を改善させる薬です。

発売前の研究において、
雄ラットで膀胱がんを増やす作用が報告されています。
しかし、この作用は雌ラットでは確認されていません。


仏国内の保健データベース内の約150万人の糖尿病患者(年齢40~79歳)に関する
2006~09年のデータを用いて、
膀胱がんの発症率を検討した後ろ向きコホート研究フランスの疫学調査において、
男性においてのみ、
アクトスで膀胱癌のリスクが有意差をもって認められたということです。
男性に膀胱がんリスクがあるということで、
フランスでは2011年以降、同薬の新規処方を中止しています。

FDA(米食品医薬品局)は2010年に膀胱がん患者に対しては投与すべきでないとし、
膀胱がん既往者に対しては慎重投与とする勧告を出しました。

これらを考慮して、私も、基本的に男性には投与しないようにしてきました。


KPNC(Kaiser Permanente Northern California)試験は、
米食品医薬品局(FDA)の要請を受けて
武田薬品工業が米国カリフォルニア州で実施している
アクトスとと膀胱がんの関係を評価するための疫学研究です。

10年間の試験期間が予定されており、
今年(2011年)4月号のDiabetes Careに
その5年時での中間解析結果が報告されました(Diabetes Care 2011; 34: 915-922)。

それによると,1997~2002年に登録された19万3,099人の患者のうち、
アクトス内服患者3万173人を
アクトス非内服糖尿病患者16万2,926人と比較したところ、
全体では有意な膀胱がんの増加は認められなかったものの、
2年以上使用している患者ではぎりぎりで有意なリスクの増加が認められました。


2014年、100万例以上の大規模コホート研究で、
ピオグリタゾン(アクトス)と膀胱がんに
関連は認められなかったと
Diabetologia(2014年12月3日オンライン版)で報告されました。

さらなる研究が必要であることは言うまでもないのですが、
肥満のない糖尿病患者には、
アクトスは、今までより少し使いやすくなったと言えます。


上述のように、フランス政府の決定はありましたが、
欧州医薬品庁(EMA)や米国医薬品庁(FDA)は、
アクトス使用には制限を加えず、モニタリングを続けるということです。

アクトスは、体重増加、浮腫、心不全などの副作用が一定懸念され私自身は、
もともとほとんど使っていません。

一方、前医で処方され副作用もなく経過がいい糖尿人(女性)で、
糖質制限食がキッチリできない人には、そのまま継続処方することがあります。

糖質制限食がキッチリできる人もいれば、できない人もいます。

上述のようにアクトス投与で、
男性の膀胱癌に関してリスクありとする報告となしとする報告があります。

私は男性には今まで通りに基本投与しないという
スタンスで、いきたいと思います。

一方、痩せ型の女性糖尿人には、
体重増加作用を期待して、アクトス投与も選択肢の一つかとは思います。



江部康二
米1億人超が糖尿病か予備軍、人口の3分の1 。しかし合併症は大幅減少。
こんにちは。

7/19(水) 14:55配信 AFP=時事
によれば、

2017年7月18日に発表されたアメリカ疾病管理予防センター(CDC)の報告書で、
米国では約1億人が糖尿病またはその予備軍となっていることが、
明らかになりました。
これは、米国人口の約3分の1にあたります。

CDCは隔年で発表している報告書で、
2015年に米国で死因第7位となった糖尿病を
「増大しつつある健康問題」と説明しています。
2015年には18歳以上の糖尿病患者が新たに150万人増えたと推定されています。

上記は
ヤフーニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170719-00000022-jij_afp-int
の要約です。


このように、米国でも日本と同様糖尿病患者は増え続けています。

一方で、
医学雑誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」2014年4月17日
に発表されたように、
米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、
この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しています。(*)
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%


日本でも、2012年の統計まで糖尿病患者は増え続けています。
そして、日本では、糖尿病合併症は米国と異なり減少していません。

日本糖尿病学会『第56回日本糖尿病学会年次学術集会』熊本宣言2013
の記載が以下です。
『糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。
糖尿病腎症で透析になる人が年間16000人以上。
糖尿病網膜症で失明する人が年間3000人以上。
糖尿病足病変で切断する人が年間3000人以上。』
  


糖尿病の治療薬としては、米国も日本も差はありません。
なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。

運動療法もそんなに差があるとは思えません。
そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。

米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。
米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。
2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、
炭水化物の推奨量を40%に下げました。

全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%ていどを推奨しているそうですが、
いつ頃からそうなのかは、判然としません。

ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、
1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、
常識になっていったと思われます。

これに対して日本の糖尿病食は、
1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。
2013年11月の食品交換表第7版で、初めて50~60%になりました。

糖尿病と診断されるまでの糖質摂取比率
米国が約50%で
日本が約60%です。


あくまでもアバウトな仮説ですが、
糖尿病と診断された後の糖質摂取比率が、
50%→40%の米国の糖尿病患者と
60%→60%の日本の糖尿病患者との差が、
合併症発症率の違いに反映された可能性が否定できないと私は思います。


(*)
Changes in Diabetes-Related Complications in the United States, 1990–2010
N Engl J Med 2014; 370:1514-1523April 17, 2014


江部康二