合併症を防ぐには、糖尿人は食後血糖値を測定しよう。
こんばんは。
現在、ほとんどの病院で、
朝の空腹時血糖値とHbA1cの2つで、
糖尿病コントロールの指標としています。

日本糖尿病学会熊本宣言2013によれば、
合併症予防のための目標は、
HbA1c:7.0%未満 です。

対応する血糖値としては
空腹時血糖値:130mg/dl未満  随時血糖値:180mg/dl未満
が目安とされています。

しかし、実はHbA1cは、短時間の食後高血糖は、感知できない検査なのです。
例えば、毎食後1~2時間くらいの短時間、食後血糖値が200mg/dlを超えていても
HbA1cには反映されないのです。

血糖がヘモグロビンと結合して HbA1Cになるスピードが、
かなり遅いので、短時間の食後高血糖が見過ごされてしまうのです。

少し前にNHKで、食後高血糖がこわいという番組を放送しました。
75g経口ブドウ糖負荷試験では、1時間値が200mg/dlを超えていても
食後2時間値が200mg/dl未満なら、境界型となり、
糖尿病ではなくて予備軍と診断されます。
食後高血糖タイプの予備軍は、心筋梗塞のリスクが糖尿病に近いレベルということが
過去の研究でわかっていますが、この食後高血糖に対して警鐘を鳴らしたのですから、
NHK、good jobではあります。

糖尿人では勿論、食後高血糖が心筋梗塞などの合併症のリスクとなることには
明白なエビデンスがあります。
ところが、朝の空腹時血糖値とHbA1cの2つでは、
食後高血糖が実際には存在しても、見過ごしてしまう可能性が極めて高いのです。

繰り返しますが、糖質を普通に食べている糖尿人は、
例え、HbA1cが7.0%未満でも、
朝・昼・夕の3食及び、午後3時のおやつ、夜食などで、
1日に3~5回の食後高血糖を生じている可能性が高いのです。

従って、HbA1cが7.0%未満でコントロール良好のはずの糖尿人が、
いくらでも合併症を発症してしまうという日本の現状と、
そのカラクリがここにあるということを
糖尿人の皆さんは、しっかり認識して欲しいと思います。

日本全国の糖尿人の皆さん、是非、主治医に御願いして、
HbA1cに加えて、食後1時間か2時間の血糖値を測定してみましょう。


江部康二
スーパー糖質制限食実践:体重減少、脂肪率減少、筋肉量維持。その後の経過。
【17/04/21 サラリーマン

IRI値2.0 総ケトン体1202
3年程前に一度コメントさせていただいた者です。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2983.html

その後も糖質制限を継続、少し緩めてますが体重71.5・体脂肪率15%前後で安定推移、体調も引き続きとっても良好で、
目立ち始めていた白髪も3年の間にほとんどなくなったのは新たな発見です。
改めて御礼申し上げます。
本当にありがとうございます!

さて、本題です。
記事を拝見した翌週が健康診断だったので、
血液検査項目を追加してもらった結果のご報告です。

IRI 2.0
総ケトン体 1202
でした。
ほか、
HbA1c5.2
空腹時血糖73
HDL92
LDL79
中性脂肪38 です。

現在は概ね一日2食で昼は糖質10g内外ですが、夜は割と緩めにしていて、
月に1、2回はお祝いのケーキやお寿司を制限なしに食べることもあるので、
IRI・ケトン体とも一般の基準値内かな、と思っていましたが、
うまく代謝が切り替わっているということでしょうか、
先生の理論どおりの結果です。

担当していただいた医師には、
「なんで?どうせ結果はわかっているのに・・・」と言われ
「糖質制限しているので知っておきたいので」等押し問答がありましたが、
少々不機嫌ながら「全額自費ですよ」ということで追加してもらいました。

といっても合計1,000円程度なので、他の読者の皆さんも確認してみては、
ということと先生のもとに事例が集まったら、
などと思いつつご報告させていただきました。

先生の益々のご活躍を祈念しております。】


サラリーマンさん。
貴重な体験のご報告、ありがとうございます。
前回、2014年6月のコメントの時が49歳ですから、
現在52歳くらいですね。
糖質制限食のその後の経過が、わかり、とても参考になります。
インスリンとケトン体だけは、保険外で検査ということですね。


糖質制限開始後3年4ヶ月目で、
体重71.5kg、体脂肪率15%前後で安定推移、
体調も引き続きとっても良好。
目立ち始めていた白髪も3年の間にほとんどなくなった。


体重と体脂肪率も、好調ですが、白髪が消えたのは素晴らしいですね。


IRI:2.0µU/ml 空腹時血糖値:73mg/dl HOMA-R:0.36(1.6以下正常)
HbA1c:5.2 %


インスリン値が、基準値下限くらいですが、
空腹時血糖値は正常低めなので、インスリンの効きがとても良い状態です。
即ち、インスリン抵抗性は、全くないです。
とても好ましい状態です。
HbA1cも全くの正常です。


HDL-C:92mg/dl LDL-C:79mg/dl 中性脂肪:38mg/dl

脂質も、HDL-Cが多く、中性脂肪が少なく、LDL-Cも基準値で
とても、好ましいです。
問題となる、小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは、ほとんんどないと思われます。


総ケトン体:1202 μM/L(26~122)

ケトン体は、基準値より、はるかに高値であり、脂肪が良く燃えていて、
「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」が、しっかり稼働しており、
スタミナ充分な状態です。
これなら、サッカーの長友選手と同様に「ケトン人間」ですから、
ほとんどのスポーツにおいて、疲れにくくて、持久力抜群と思います。
食後の眠気もなく、体調良好を維持しておられることと思います。

このまま、美味しく楽しくスーパー糖質制限食を続けられて
末長く健康を維持して頂きたいと思います。


江部康二



☆☆☆
2014/6/2のブログ記事です。

スーパー糖質制限食実践:体重減少、脂肪率減少、筋肉量維持。

【14/06/01 サラリーマン

糖質制限6ヶ月の結果です

49才のサラリーマンです。

糖質制限6ヶ月の一事例ということで、お役に立つかわかりませんがご参考までに経過をご報告させていただきます。

体重等の推移は以下のとおりです(身長180㎝。スポーツクラブの体組成計です。筋肉量として何を計測しているかは不明ですが推移ということでご覧ください。ちなみにタニタの体組成計では61㎏と出ます)。

   体重  脂肪率(量)  筋肉量
4月 83.3㎏ 25.1%(20.9㎏) 26.8㎏(参考)
11月 85.8㎏ 26.6%(22.8㎏) 27.2㎏(開始時)
12月 80.5㎏ 25.1%(20.2㎏) 25.8㎏
1月  78.3㎏ 22.8%(17.9kg) 25.8㎏
2月  75.6㎏ 21.0%(15.9㎏) 25.5㎏
3月  75.8㎏ 19.2%(14.6㎏) 26.1㎏
4月  74.3㎏ 18.1%(13.4㎏) 26.1㎏
5月  73.1㎏ 15.7%(11.5㎏) 26.3㎏(6ヶ月経過)

結果 -12.5㎏ -10.9%(-11.3㎏) -0.9㎏

このほかウエストは94㎝→82㎝、スポーツクラブの体組成計の内臓脂肪指数は120→60と大成功です。

もともと平日1万歩前後と土日にエアロビクス(ハード系)+ジム計2時間程度の運動習慣があってもそれまでは順調に増量していた中この結果、やはり食生活(=糖質制限)のおかげです。

筋肉量については、減っても仕方がないと思っていましたが、体重減少の大半が脂肪で正直驚いています。

土日の筋トレを少し増やしていますのでその効果もあるかもしれませんが、かなり厳格に糖質制限してきた中、1月以降は脂肪減で筋肉増加で推移しており、カロリー不足でなければ筋肉を分解あるいはアミノ酸を利用してエネルギーに…、ではないということですね。

また、運動中も最初の1ヶ月程度は若干重たい感じがいていまいたが、その後はハイテンションでしっかり動けています。

体の順応の速さについては個人差があるかもしれませんが、一般人の健康増進レベルの運動であれば、全く問題ないという一例です。

・・・・・・・

実は、もともと食後の強烈な眠気があったところ昨年11月に入り夕方だるさとともに冷汗がでるようになりネットで検索、先生のブログを拝見したことがきっかけで、即スーパー糖質制限を初めました。

最初の2~3週間は食後の眠気や冷汗はなくなったものの、何となくテンションが上がらないなあと思っていたところ、単に主食と芋類を抜いただけで完全にカロリー不足だったようで(最初筋肉が落ちた原因かもしれません)、その後は先生のごご著書を参考に糖質を毎食20ℊ未満に抑える一方、おかずを増量したりナッツ類やチーズの間食を加えたところ、体が順応してきたこともあってか、とても快調な日々を送っております(ちなみに晩酌はスタイルフリー2本を毎日。宴席は乾杯のビールの後、焼酎かハイボールにしてます)。

また精神面の安定や睡眠、集中力、乾燥肌、便通についても大きく改善しています。
本当にありがとうございます。

健康診断を含め、今後も経過を記録していくつもりです。
勝手ながら時々ご報告させていただきます。

先生の益々のご活躍を祈念しております。】



こんにちは。

サラリーマンさんから

スーパー糖質制限食実践で、「体重減少、脂肪率減少、筋肉量維持」

という嬉しいコメントをいただきました。

11月 85.8㎏ 26.6%(22.8㎏) 27.2㎏(開始時)
12月 80.5㎏ 25.1%(20.2㎏) 25.8㎏


開始直後の1ヶ月で、5.3kgとかなりの体重減少です。

この間脂肪が2.6kg、筋肉が1.4kgの減少です。

この時の筋肉量の減少ですが、カロリー不足の影響と共に、筋肉中の水分が初期段階で急速に減ったための可能性があります。

その後、摂取エネルギーを増やしてスーパー糖質制限食を継続したところ
2月  75.6㎏ 21.0%(15.9㎏) 25.5㎏
3月  75.8㎏ 19.2%(14.6㎏) 26.1㎏
4月  74.3㎏ 18.1%(13.4㎏) 26.1㎏
5月  73.1㎏ 15.7%(11.5㎏) 26.3㎏(6ヶ月経過)


脂肪が、減少して、筋肉量は増えていますので、理想的な展開です。


サラリーマンさんの仰有るとおり、一般人の健康増進レベルの運動であれば、スーパー糖質制限食は全く問題ないし、筋肉量も増えうるということなのでしょう。

瞬発力やパワーが主となるハードな運動の場合、アスリートもどきさんのコメントにもあったように上手くいかない場合があるようなので、今後の課題です。


「もともと平日1万歩前後と土日にエアロビクス(ハード系)+ジム計2時間程度の運動習慣があってもそれまでは順調に増量していた中この結果、やはり食生活(=糖質制限)のおかげです。 」

サラリーマンさん、一般人に比べたら、結構運動量豊富なライフスタイルだったのに、体重増加でピークは85.8kgだったのが、
スーパー糖質制限食で見事に体重減少、筋肉量維持、体調良好・・・

素晴らしいです。

やはり糖質を食べながら、運動だけで体重を減らすというのは、なかなか難しいことなのですね。


江部康二
外食でも我慢せずに糖質制限。外食でやせる!
【17/04/21 ちーまる
産経新聞に
江部先生いつもブログの更新ありがとうございます!
産経新聞に嬉しいニュースが掲載されていましたので、コピーします。
糖質制限食に励んでいます。
目標ヘモグロビン7未満へ、必ず達成して、またご報告します。

https://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/sankei-wst1704210005.html



こんにちは。
ちーまるさんから、糖質制限食に関する嬉しい情報をコメント頂きました。
ありがとうございます。

gooニュースの産経新聞の記事ですね。

以下、一部抜粋してみました。

【ビジネスの裏側】ご飯減らして「オムッコリー」 外食でも我慢せずに糖質制限
「エスタシオンカフェグラン大阪」の糖質制限メニュー。

 JR大阪駅構内にある「エスタシオンカフェグラン大阪」は、
ご飯や麺と同じくらい食べごたえがあり、
栄養価が高いものとしてブロッコリーに着目。今年1月に新メニューの提供を始めた。


 オムライスのご飯のかわりにブロッコリーを使った「オムッコリー」(900円)、
パスタの麺をブロッコリーに替えた「カルボナーラブロッコリー」(990円)、
和風しょうゆブロッコリー(950円)の3種類。

これは、文句なしに素晴らしいです。
3メニューとも、スーパー糖質制限OK食材です。
ブロッコリーに目をつけてくれたシェフに拍手喝采です。
ブロッコリーなら、100gで、糖質が0.8gしかないので超優良食材です。
200g食べても、糖質1.6gにしかならず、
満腹度、満足度も問題なしで、糖尿人もニッコリですね。


ファミリーレストランのロイヤルホストは4月12日から、
オリジナルの低糖質パン(270円)の提供を始める。
小麦粉の代わりに大豆粉を使い、しっとりとした食感になるよう工夫した。
ハンバーグなどのセットメニューとしても選べるという。

ロイヤルホストで、ステーキとサラダバーなら、
スーパー糖質制限食ですので、私も時に利用します。
ただし、スープバーは糖質が多いのでNGです。
オリジナルの低糖質パンの糖質量が、調べてもわかりませんでした。 (∵)?

低糖質パン 250円(税込270円)
バター含む 164kcal / たんぱく質7.3g / 脂質8.8g / 炭水化物17.8g / 塩分0.7g
炭水化物17.8gですので、糖質制限的には、残念ながら△~NGですね。
ヒロさんから、コメントを頂きましした。ありがとうございます。

さらに、ぐうたら糖質制限 さんからの正確な情報です。ありがとうございます。
グランドメニューのpdfによると1個あたり糖質9.3g
http://www.royalhost.jp/menu/images/956546dd5371e1ab69fe4b663b3683a7.pdf
大豆粉、ふすま粉を用いてるとあるので食物繊維が多いか。
これなら、おかずを選べば、何とかOKでしょうか。


 オーベルジュ(宿泊型のレストラン)スタイルの神戸北野ホテル(神戸市中央区)は、フランス料理のディナーに低糖質のコース(1万1880円)を用意している。
 神戸高見牛のローストをメインディッシュにデザートまで12品。
小麦粉の代わりに大豆やナッツの粉を、砂糖の代わりに低糖質の甘味料を使用する。
このほか素材の持つコクやうまみで調理を工夫し、
1食の糖質量を38・55グラムに抑えた。


こちらは、残念ですね。
糖尿人がこのコース(糖質量38.55g)を食べたら、食後血糖値は、
200mg/dlを超える可能性が極めて高いです。
従って、糖尿人には、NGです。
ダイエット目的なら、ボチボチですね。


 アルコール飲料や清涼飲料水、菓子などでは「糖質オフ」製品が近年相次いで発売されている。調査会社の富士経済の調べでは、「糖質オフ・ゼロ」商品の平成28年の市場規模は、前年比7・7%増の3431億円の見込みと、近年伸び続けている。


2016年7月のNHKの試算が、3184億円ですから、
糖質制限の市場規模、順調に伸びているということで嬉しい限りです。

江部康二


 

☆☆☆

外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる
単行本 – 2017/3/27 
毎日新聞出版 
江部 康二 (著) 

が出版されました。 糖質制限な外食に特化して、本を一冊作ってみました。
サラリーマンのほとんどが、一日に1~2回は外食になると思います。
私の糖尿病患者さんにおいても、
「外食が多いので、糖質制限はなかなか難しいです。」 と仰る方が結構おられます。
最近は、ファミレスやコンビニでも糖質制限なメニューや食材がどんどん増えていて、
糖質セイゲニストにとって、とても暮らしやすい日本となっています。 
本書が、 『全国の糖質セイゲニストの外食のバイブル』 になってくれれば、
嬉しい限りです。 

閉経後の骨粗鬆症にはピルが有効。ニキビにもピルが有効。
【17/04/19 産婦人科医師
女性の骨粗鬆症予防にはホルモン補充療法が有効
閉経後の骨粗鬆症の原因として最も重要なのは、
エストロゲン低下による骨密度の低下と骨梁構造の悪化です。
もちろんビスフォスフォネートによる治療も有効ですが、
顎骨壊死や食道ビランなど重篤な副作用も多数報告されており、
継続した服用には注意が必要です。
ぶっちゃけ、閉経後のご婦人の血中エストロゲン量は、
同年代のオッサンの血中エストロゲン量よりも低いです。
そこでオススメなのが更年期のホルモン補充療法です。

ビスフォスフォネートが骨にしか効果が無いのに対し、
ホルモン補充療法は全身の細胞に数々の効果があります。

もちろん骨密度も増加、お肌ツルツル、髪の毛シットリ、
動脈プルプルになること間違いなしです。

糖質制限も併用すれば更に効果が上がることでしょう。

骨粗鬆症のガイドラインにはホルモン補充療法は出てきません。
なぜって?整形外科医が作成したからです。

ニキビのガイドラインにピルが出てこないのと同じです。
皮膚科医はピルを処方しないからです。】



こんばんは。
産婦人科医師さんから、とても役に立つ情報をコメントして頂きました。
ありがとうございます。

そうですね。
ご指摘通り、閉経後の女性の骨粗鬆症予防にはピルが有効ですね。

私は、整形外科の情報ばかり見ていましたので、
うっかりしていました。
助かります。

閉経後のご婦人の血中エストロゲン量は、
同年代のオッサンの血中エストロゲン量よりも低いとは、
びっくりしました。

『糖質制限食+低容量ピル』で、女性の骨粗鬆症は、かなりカバーできそうです。

ただし、ピルには副作用もあるので、
どのくらい継続服用するのか、産婦人科医とよく相談することが必要です。

ピルのこわい副作用としてまれではありますが
乳がん・子宮がん、血栓症があります。
小さな副作用として
頭痛、吐き気、乳房の張り、体重増加などがあります。

ニキビにも低容量ピルが有効なことがあるのですね。
勉強になります。
生理前に増える男性ホルモンは、皮脂分泌を過剰にする働きがあり、毛穴をふさぎ、
ニキビをできやすくさせます。
低容量ピルを飲むことで、男性ホルモンを抑え、
女性ホルモンを補うことで、ニキビが改善するという理屈です。

ニキビは、スーパー糖質制限食で、ほとんど良くなります。
しかし、スーパー糖質制限食が困難な女性でニキビに悩んでいる方は
産婦人科医師と相談という選択肢もありですね。


江部康二
骨粗鬆症と骨強度。骨密度と骨質。糖化と骨質劣化。糖質制限食の役割。
こんばんは。

日本の骨粗鬆症患者は約1,100万人と推定されています。
総人口が1億2676万人ですから、かなりの人数であり、国民病レベルですね。

<骨粗鬆症の原因>
それでは、骨粗鬆症は何故生じるのでしょう。
実は、骨は毎日、常に新しく作りかえられています。

古くなった骨は、破骨細胞によって溶かされ、カルシウムが血液中に出ますが、これを骨吸収といいます。一方、新しい骨をつくる骨芽細胞が、骨の溶けた部分にカルシウムをくっつけて、骨を形成します。
この「骨吸収」と「骨形成」のバランスがとれていれば、骨は安泰です。
このバランスが崩れると、骨粗しょう症になる危険が高まります。

<骨密度と骨質>
さて体内のカルシウムの99%は、骨に蓄えられています。残りの1%は血液中に含まれており、筋肉や内臓など全身の代謝を正常に保つ重要な役割を担っています。

体に必要な血液中のカルシウムが不足すると、
骨に蓄えられたカルシウムが溶け出して不足分を補います。
それが続けば、、骨の量(骨密度)が減ってしまい、骨粗しょう症になっていきます。

骨の体積の約半分はカルシウムですが、残りの約半分はコラーゲンでできています。
皆さん、骨はカルシウムというイメージが強いと思いますが、実は半分はコラーゲンというタンパク質でできているのです。

骨を鉄筋コンクリートの建物にたとえると、
カルシウムはコンクリートでコラーゲンが鉄筋にあたります。
つまり、両者がバランス良く構成されていれば、骨は丈夫で、
骨粗鬆症も骨折リスクも低くてすむのです。

近年の研究で、骨の量(骨密度)の減少だけではなく、
コラーゲンの劣化や減少による骨質の異常も
骨粗しょう症の原因となることが明らかとなりました。

<骨粗鬆症と骨強度>
骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴とし、骨折リスクが増大しやすくなる骨格疾患」という定義に改訂されましたが、骨強度には骨密度と骨質の両方が関与します。

骨粗しょう症を予防するためには、カルシウムをとって「骨量(骨密度)」を増やすだけでなく、コラーゲンに着目して「骨の質(骨質)」を良くすることも重要ということがわかってきました。

現在汎用されている骨粗鬆症治療薬は、骨密度を増加させる働きを持っています。しかし残念ながら、骨密度増加だけでは 骨折リスク低下は、完全ではありません。最近は、骨質が骨強度因子として大変重要であると認識されています。

<骨粗鬆症による骨脆弱化>
東京慈恵医大の斎藤充準教授(整形外科)によれば、
① カルシウム不足:骨密度低下
② コラーゲンの糖化による老化:骨の弾力低下、骨質の低下
③ ①+②
骨粗鬆症による骨脆弱化は、①②③の3タイプにわかれます。
骨粗鬆症がない人に比べると
骨折リスクは、順に3.6倍、1.5倍、7.2倍となり、混在型が非常にリスクが高いです。
患者数では、順に5対3対2です。

<骨質の劣化と糖化とAGEs、そして糖質制限食>
骨コラーゲンの糖化およびAGEs蓄積が、骨質の劣化に大きく関与しています。
しかし、骨コラーゲンの糖化およびAGEs蓄積を抑えるような薬は存在しません。
そうなると、糖質制限食の出番です。
正常人でも糖尿人でも、糖質制限食で食後血糖値の上昇を低く抑えれば抑えるほど、
骨のコラーゲンの糖化とAGEs蓄積が防げるので骨質の劣化も予防できるのです。

ちなみに私は現在67歳で、身長167cmですが、20歳のころと一緒で縮んでいません。
52歳から実践しているスーパー糖質制限食のおかげと思います。

<結論>
1)骨粗鬆症予防に重要な骨強度には骨密度と骨質の両者が関与しています。
2)カルシウムや内服薬で、骨密度は改善可能ですが、骨質の改善は困難です。
3)糖質制限食なら、コラーゲンの糖化とAGEsの蓄積を防ぎ、骨質の劣化予防が可能です。


江部康二