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高齢者の腎機能検査は、シスタチンCがクレアチニンより有用。
こんにちは。
今日は、血清シスタチンCのお話で、2022/6/20(月)の記事の追加です。
 
<高齢者とクレアチニンとシスタチンC>

高齢者の場合は、ほとんどの人で、筋肉量が少ないです。
そうすると、一般によく用いられる腎機能検査の「血清クレアチニン値」だと、
筋肉量が少ない分、低値になります。
つまり、本当は腎機能障害があるのに、「血清クレアチニン値」だと
正常範囲になってしまうケースがかなりあると
思われます。
このような時、「血清シスタチンC」だと、筋肉量に影響されずに
正確な腎機能を評価することができ、とても有用です。

血清クレアチニンの基準値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清シスタチンCの基準値は、
男性0.63~0.95mg/L、女性0.56~0.87mg/L です。
 
例えば、75歳男性Aさんの血清クレアチニン値は0.76mg/dlで基準値内でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.76mg/dlで基準値を超えていて
腎機能障害が認められました。


同様に、77歳女性Aさんのクレアチニン値は0.58mg/dlで基準値内でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.48mg/dlで基準値を超えていて
腎機能障害が認められました。


つまり、AさんもBさんも、腎機能障害があるけれど、血清クレアチニン検査だけでは
見逃してしまうということになります。
 
今後、高齢者の腎機能検査は、血清クレアチニンではなく
血清シスタチンCを主に実施するのが良い
と言えます。
 
 
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人が高齢者となります。 
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
総務省によれば、日本の65歳以上の高齢者は、2020年は3617万人・総人口の28.7%で、過去最高の更新が続いています。
 

江部康二
 



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腎臓には血液をろ過して、体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に
体の外へ出してくれる働きがあります
腎臓はいらなくなった余分なものを体から排出して、必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、
体内の環境を正常に保つことができるのです。
 
糸球体での濾過量(GFR)は、正常では一定に維持され、腎機能を知るうえで最も重要な指標となります。
 
血清シスタチンCの数値や血清クレアチニンの数値から、、
年齢と性別を考慮して、腎臓の働きを推測した値を、
eGFR(推定糸球体濾過量)と言います。
 
<血清シスタチンC GFR>
<血清クレアチニン GFR>

で、ネットで検索すれば、
eGFR(推定糸球体濾過量)を計算するサイトが見つかります。
便利なので、利用しましょう。
 
腎機能検査として、一般的な血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、
運動などの影響を受けますが、
血清シスタチンC値はそれらの影響を受けないため、
小児・老人・妊産婦・アスリートなどでも問題なく測定できます。
 
また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、
シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇するので、
腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。
 
したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、
尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には、
早期腎症の可能性がありえるので、血清シスタチンCを調べるのが有用です。
 
血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、
シスタチンCを測定する意義はありません。
一方、ごく軽度上昇例で評価が困難な場合、
シスタチンC測定で腎機能を検査するのがお奨めです。
 
 
江部康二
生命と塩。牛乳とヨーグルトとマサイ族。ヒトは塩なしでも生きていける。
【22/07/03 citizeness
タイトルなし
糖質制限をしていて塩分制限をすると「ぼーとしてだるくなって集中力が低下」するとのことですが、
これは糖質制限ではインスリン分泌が少ないために腎臓でナトリウムが再吸収されずにナトリウム不足になるからですか?

狩猟・採集時代というのは糖質制限食だったと思います。
当時すでに「塩」を用いて調理していたのでしょうか?

古来のマサイ族はほぼ牛乳のみで生活していたそうです。
低塩分でも問題なかったのは、牛乳にはそれなりに糖質が含まれているからでしょうか?

少し不思議に思ったので、質問させていただきました。
よろしくお願いいたします。】



citizeness さん

『糖質制限をしていて塩分制限をすると「ぼーとしてだるくなって集中力が低下」するとのことですが、
これは糖質制限ではインスリン分泌が少ないために腎臓でナトリウムが再吸収されずにナトリウム不足になるからですか?』


糖質制限食の実践により、余剰の水分と塩分は排出されます。
従って、塩分制限は必要ないこととなります。

『糖質制限をしていて塩分制限をすると「ぼーとしてだるくなって集中力が低下」する』

というのは、私の記述でしょうか?
私が、人体実験として、スーパー糖質制限食で、
摂取エネルギーは普通にして、塩分をゼロレベルにしたら
「ぼーとしてだるくなって集中力が低下」したことはあります。
普通の糖質ありの食事の人でも、いきなり塩分ゼロにすると、
「ぼーとしてだるくなって集中力が低下」すると思います。
スーパー糖質制限食で、塩分制限7g/日とか、問題ないと思います。
塩分制限7g/日未満というのは、実際の食生活ではかなり困難だと思います。
もっとも、慣れてしまえば、かつてのアイヌの人達のように、塩分ゼロでも生きていけるようです。


『狩猟・採集時代というのは糖質制限食だったと思います。
当時すでに「塩」を用いて調理していたのでしょうか?』


内臓や血液や骨髄も食べていたのでそれらに塩分があったと思います。


『古来のマサイ族はほぼ牛乳のみで生活していたそうです。
低塩分でも問題なかったのは、牛乳にはそれなりに糖質が含まれているからでしょうか?』


コップ1杯の牛乳が約200mlだとすると、
日本のどのメーカーも食塩相当量で計算すると、0.2g程度となります。
マサイ族の牛乳やヨーグルト摂取で、塩分は1.8g/日となっています。
わが国でも北海道のアイヌの人たちが塩を用いるようになったのは、倭人と交渉をもつようになってからだそうです。
つまり、塩はほとんどなくても、生命には影響しないということですね。
ブラジル・ヤノマモインディアンも、ほぼ食塩摂取はないですが、普通に生活しています。

マサイ族の主食は牛乳とヨーグルトです。
牛乳、ヨーグルト合わせて1日に2〜3Lも摂取します。
毎日、牛の放牧をしながら何kmも歩き、その間、牛乳を入れた「キブユ」というひょうたんを腰にぶら下げ続けているので、
数日間で牛乳は自然発酵し、ヨーグルトになります。
長時間歩いていますから、主に摂取するのは新鮮な牛乳より、搾乳してから2〜3日が経過したものや、
さらに時間がたってヨーグルトになったものの方が主となります。
この主食だけで不足する鉄分は、牛の生き血を週に数回、牛乳に混ぜて飲むことで補います。


木村修一・足立己幸編『食塩』,栄大選書(1981)より
1人1日当たりの食塩摂取量


国または種族名          摂取量 g/日
日本                11-16
イギリス               15-20
北アメリカ              4-24
タイ                 9
スリランカ               7
グリーンランド・エスキモー      3-5
アフリカ・マサイ族          1.8
ブラジル・ヤノマモインディアン   0.1



江部康二
ケトン体と短鎖脂肪酸。オリゴ糖。
【22/07/03 yama
短鎖脂肪酸について
先生こんにちは。先生のブログと著作をいつも興味深く拝見しております。
先生にこの度質問したいことがあり、ご連絡いたしました。
もしお時間があればご教示いただければ幸いです。

https://narukinhonda.com/naruhealth/antiaging/ketone-bodies-short-chain-fatty-acids.html

上記のサイトにて、短鎖脂肪酸が腸内で作られるケトン体なので、
糖質制限して肝臓からケトン体を作るより、
食物繊維を多く摂取して腸内で短鎖脂肪酸を作る方が効率がいいのでは
と述べられていますが、実際に短鎖脂肪酸はケトン体といい得るのでしょうか。

また私は現在、短鎖脂肪酸を作り出すためにオリゴ糖を摂取するようにしています。
オリゴ糖は難消化性の糖質なので糖質制限では摂取してもよいと考えているのですが、
こちらも先生のご見解をお伺いできれば幸いです。
末筆となりますが、先生のますますのご活躍を心より祈念いたしております。】



こんにちは。
yamaさんから、短鎖脂肪酸とケトン体について、コメント・質問を頂きました。

<ケトン体>
生体内におけるケトン体は、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンの3つです。
このうち、β-ヒドロキシ酪酸は、化学構造上はケトンではないのですが、
医学・生化学の世界では、慣習的にケトン体の一員とされています。
従って<短鎖脂肪酸=ケトン体>ということではありません。

また、スーパー糖質制限食実践者は、ステーキを食べている最中でもケトン体を産生しています。
すなわち一日中<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>が、主たるエネルギー源として稼働しています。
そして、普通に糖質を摂取している人でも、空腹時や睡眠時は
<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>
主たるエネルギー源として稼働しているのです。

<短鎖脂肪酸>
ヤクルトさんのサイトがわかりやすいので以下、引用させて頂きます。謝謝!
https://institute.yakult.co.jp/dictionary/word_3163.php ヤクルト中央研究所
脂肪酸とは、油脂を構成する成分のひとつで、数個から数十個の炭素が鎖のように繋がった構造をしています。
そのうち炭素の数が6個以下のものが短鎖脂肪酸と呼ばれ、
酢酸、プロピオン酸、酪酸などが含まれます。
短鎖脂肪酸は、ヒトの大腸において、
消化されにくい食物繊維やオリゴ糖を腸内細菌が発酵することにより生成されます。
生成された短鎖脂肪酸の大部分は大腸粘膜組織から吸収され、
上皮細胞の増殖や粘液の分泌、水やミネラルの吸収のための
エネルギー源として利用されます。
また、一部は血流に乗って全身に運ばれ、
肝臓や筋肉、腎臓などの組織で
エネルギー源や脂肪を合成する材料として利用されます。
その他にも短鎖脂肪酸には、
腸内を弱酸性の環境にすることで有害な菌の増殖を抑制する、
大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進する、
ヒトの免疫反応を制御する、などさまざまな機能があることが知られています。

<オリゴ糖>
オリゴ糖は、少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴとは少ないという意味です。
明確な定義はないのですが、一般には、
単糖類が3~20分子縮合して1分子になったものをオリゴ糖と言います。
中でも、
フラクトオリゴ糖

乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)

は、
血糖値とインスリン値にほとんど影響を与えません。
ラフィノース、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は
一定難消化性ですが、少し血糖値を上げる可能性があります。
イソマルトオリゴ糖は、あるていど血糖値をあげると思います。

つまり、フラクトオリゴ糖と乳果オリゴ糖以外のオリゴ糖は
血糖値を上げる
ので、注意が必要です。


江部康二
菓子職人、7-8月限定のマンスリーケーキ、レモンのレアチーズケーキ発売中。
こんにちは。
私が監修を務める「菓子職人」さんが、7-8月限定のマンスリーケーキの販売を開始されましたのでお知らせします。

「糖質制限中の方にも、美味しいケーキで季節を感じていただきたい。
菓子職人より、月替わりでお楽しみいただける糖質制限マンスリーケーキお届けします」(菓子職人さんHPより)

レモンのレアチーズケーキ

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レモンのレアチーズケーキ 美味しさのヒミツ

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A 表面ジュレ(レモン)
B レアチーズケーキ
C レモンクリーム
D クリームチーズのホワイトチョコレート
E スフレ生地

F ココナッツファイン

糖質 3.41g / カロリー 333kcal
※100gあたり ※エリストールを除く

https://www.kashishokunin.co.jp/toushitsuseigen/products/monthly/monthly08.php
ご購入はこちらから


【血糖値測定】
2022/7/1 金曜日

・16時20分  血糖値:110mg/dl
・菓子職人レモンのレアチーズケーキ1個(100g)摂取。  
・17時20分 血糖値:108mg/dl


レモンの香りが爽やかな、夏にふさわしい逸品でした。

糖質含有量が3.41gですが、血糖値がかえって下がりました。
レモンのレアチーズケーキ(100g中、糖質3.41)の糖質に対して
私の追加分泌インスリンがでて、「3.41g×3mg=10.23mg」をカバーして
少し余裕があって余った分、血糖値が下がったのでしょう。
入院患者さんでも、時々食前より食後血糖値が下がることがあります。

菓子職人さん、Good Job! です。謝謝!!
まさに、スーパー糖質制限合格食品ですね。

糖質セイゲニストの皆さん、是非ご賞味あれ。


江部康二
人類と甘味料。蜂蜜と砂糖の歴史。
こんにちは。
我々糖質セイゲニスト一押しの甘味料と言えば、エリスリトールであり、血糖値も上げず、カロリーもゼロです。
安全性に関しても、
国連食糧農業機関(FAO)
のお墨付きであり、妊婦でも大丈夫です。
エリスリトールが主成分で、手に入りやすいのは、サラヤの「ラカントS」や味の素の「パルスイートカロリーゼロ」です。

一方、糖質セイゲニストでない人においては、砂糖蜂蜜などが一般的な甘味料です。
糖尿病の患者さんでも、メタボリックシンドロームの患者さんでも、そしてさまざまな生活習慣病の患者さんでも、
老若男女を問わず、甘党はかなりの割合でおられます。
かく言う私も、決して甘党ではないつもりで、日ごろ家人に「甘いものなんか要らないもんね」などと言ってはいるのですが、
コロナ禍前に、宴会で酔っぱらって帰宅した翌朝には、テーブルの上のチョコレートがきれいさっぱり無くなっていたりしますので(記憶にはないのですが……)、
大きなことは言えません。

そういうわけで、今回のブログ記事は、人類と甘味料について検討してみます。
紀元前6000年頃に描かれた、スペイン・アラーニャ洞窟の壁画には、蜂蜜を採集する人の姿が残っています。
その絵が示すように、人類が初めて口にした甘味は、天然の蜂蜜と言われています。
ちなみに蜂蜜に含まれる糖質は、果糖(約40%)、ブドウ糖(約35%)、ショ糖(スクロース、数%)です。

蜂が集めてきた花の蜜は主にショ糖なのですが、働き蜂の唾液腺から分泌される転化酵素の働きによってブドウ糖及び果糖へと変化し、
同時に水分が約20%にまで濃縮されます。 
果糖は血糖値をほとんど上げない糖質なのですが、中性脂肪に変わりやすい性質があるため、蜂蜜は太りやすい甘味料です。
一方で、ビタミンやミネラルの含有量が多く、その中には18種を超える有機酸が含まれていて「pH値は3.2-4.9」つまり酸性を示します。
しかし蜂蜜はカルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムなどの体内に吸収されるとアルカリ性を示すミネラルが豊富なので、アルカリ性食品に分類されます。
ちなみに酸性を示すミネラルは、塩素、リン、硫黄などです。

蜂蜜以外の甘味料として、サトウキビ(甘藷<カンショ>)の搾り汁を煮詰めて精製した結晶、
いわゆる「白砂糖」を作り出すのに成功したのは、紀元前のインド人です。
インドの砂糖は、アレクサンダー大王(紀元前356年-323年)の東征により西方、現在の中東から欧州へと伝わりましたが、
庶民には高嶺の花、かなりの貴重品でした。
ですから長らく西洋でも日常の甘味料としては蜂蜜が唯一のものでした。 

中国では玄奘(三蔵法師)のインド行きがきっかけで、製糖法が伝わり、7世紀以降に砂糖生産が始まったとされています。
砂糖が日本に伝わったのは、奈良時代後期に鑑真が唐から渡来した折と言われています。
欧州、中国、日本いずれでも砂糖はずっと貴重品で、たしなむことができるのは貴族だけでした。

17世紀後半以降、砂糖は多量にかつ安価に生産できるようになります。
同時に、庶民にも解禁され、英国では紅茶にたっぷりの砂糖を入れることが一般的となりました。
世界に広がったその風習が、砂糖の過剰摂取につながり、英国のみならず世界中の肥満や糖尿病の元凶であると問題になっています。 

砂糖の大量生産の歴史は、カリブ海の西インド諸島に築かれた欧州各国の植民地で行われたサトウキビ栽培に端を発します。
欧州の白人が、西インド諸島に住んでいた人たちを奴隷として過酷な労働を強いた結果、現地の人口が激減します。
するとアフリカから黒人を奴隷として連れてきて働かせる、ということを行いました。
サトウキビ栽培の歴史は、奴隷制度の歴史そのものと言っても過言ではありません。

時がたち、徐々に奴隷制度廃止へと歴史が動きますが、
この辺の話題は「砂糖の歴史」(エリザベス・アボット著、樋口幸子訳、河出書房新社)という本に詳しく書かれていますので、
興味のある人にはお薦めです。
マニアックな大著ですので読むのに骨がおれますが……。
悲惨な歴史を経て、庶民の口にも入るようになった砂糖ですが、その主成分はショ糖で、ブドウ糖と果糖が結合したものです。
サトウキビのほか、サトウダイコン(甜菜<テンサイ>)からも作られます。
砂糖の中でもショ糖の純度の高いものがグラニュー糖(99.95%)や氷砂糖(99.98%)です。
家庭で最もポピュラーな上白糖は、独特のしっとりした感じを持たせるために、
ショ糖の結晶に濃厚な転化糖液(ビスコ)を少量ふりかけたもので、純度は97.8%です。

「転化糖」とは、ショ糖を加水分解してできたブドウ糖と果糖の混合物で、ショ糖より甘みが強いものです。
意外かもしれませんが、天然のショ糖は大豆、大根、白菜、ネギ、ホウレンソウなどの野菜や、アーモンド、ピーナツなどのナッツ類にも少量含まれています。
植物が持つ天然のエネルギー源として、存在しているのでしょう。

料理をする人の間では、「ショ糖含有率が高い大豆がおいしい」と言われており、その一例が夏に枝豆として食べられる品種です。
中にはショ糖を100gあたり4.3gも含む品種もあります。
この時点で糖質量としては本醸造の清酒と同じくらいです。
もちろんかなり甘くておいしいと思いますが、ショ糖に加えて、でんぷんや麦芽糖も含まれているので糖質制限をしている人には
甘すぎる枝豆は、要注意の食材です。

米国では著述家、ウイリアム・ダフティが1975年「Sugar Blues(シュガー・ブルース)」(邦訳は「砂糖病(シュガー・ブルース)甘い麻薬の正体」)を著して、
砂糖の毒性、危険性を説きました。
以来、砂糖はことあるごとに悪者扱いされて、糖尿病はもちろんさまざまな病気の元凶と言われてきましたが、
私はあくまでもトータルの糖質摂取量が問題だと考えています。

結局、糖質であればもとが米でも麦でもサトウキビでも、血糖値を上昇させ、血糖変動幅を増大させ、代謝が乱れ、心理的にも不安定になるのです。
さまざまなミネラルを含み、栄養価が高い蜂蜜でも、ほぼ純粋なショ糖であるグラニュー糖でも、その事実には差はありません。


江部康二