コーヒーと死亡リスクの逆相関、ヨーロッパでも確認。
こんにちは。
また、コーヒー党にとって、嬉しい話題です。
アナルズ・オブ・インターナル・メディスンという権威ある医学雑誌に
掲載された論文の紹介です。
コーヒーを飲む群と飲まない群の比較研究です。
コーヒーはしっかり飲んだほうがメリットがあるようです。


以下の青字は
m3.com 
https://www.m3.com/clinical/journal/17995?pageFrom=conference
という医学サイトからのメール情報の要約です。

コーヒーと死亡リスクの逆相関、欧州でも確認
Ann Intern Med2017年8月25日 (金)配信

 ヨーロッパ10カ国でEPIC試験参加者約52万人を対象に、
コーヒー摂取と死亡率の関連を前向きコホート研究で検証した論文です。

平均16.4年の追跡で41 693人が死亡しました。
コーヒーを飲む人を摂取量により、4群に分けました。
コーヒー摂取量が、一番多い群では、
全死亡リスクは、コーヒーを飲まない群に比べ
男女とも有意に低下していました。

逆相関は、男女両方で、消化管疾患死にもみられました。
女性においては、循環器疾患死および脳血管疾患死にも見られました。

結論として、
コーヒー摂取は、さまざまな原因による死亡リスクの低下と関連していました。
この関係は国によって変わることはありませんでした。


以下は元論文の結果と結論です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28693038

Gunter MJ et al. Coffee Drinking and Mortality in 10 European Countries: A Multinational Cohort Study. Ann Intern Med. 2017 Aug 15;167(4):236-247.

Results:
During a mean follow-up of 16.4 years, 41 693 deaths occurred. Compared with nonconsumers, participants in the highest quartile of coffee consumption had statistically significantly lower all-cause mortality (men: HR, 0.88 [95% CI, 0.82 to 0.95]; P for trend < 0.001; women: HR, 0.93 [CI, 0.87 to 0.98]; P for trend = 0.009). Inverse associations were also observed for digestive disease mortality for men (HR, 0.41 [CI, 0.32 to 0.54]; P for trend < 0.001) and women (HR, 0.60 [CI, 0.46 to 0.78]; P for trend < 0.001). Among women, there was a statistically significant inverse association of coffee drinking with circulatory disease mortality (HR, 0.78 [CI, 0.68 to 0.90]; P for trend < 0.001) and cerebrovascular disease mortality (HR, 0.70 [CI, 0.55 to 0.90]; P for trend = 0.002) and a positive association with ovarian cancer mortality (HR, 1.31 [CI, 1.07 to 1.61]; P for trend = 0.015). In the EPIC Biomarkers subcohort, higher coffee consumption was associated with lower serum alkaline phosphatase; alanine aminotransferase; aspartate aminotransferase; γ-glutamyltransferase; and, in women, C-reactive protein, lipoprotein(a), and glycated hemoglobin levels.

Conclusion:
Coffee drinking was associated with reduced risk for death from various causes. This relationship did not vary by country.
<糖質制限食に関するお知らせ・お願い・ご注意など> 2017年9月
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】

ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。

糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。

一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。

診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。

私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。

また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。

従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。

またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。

質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m

普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)

掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、
できるだけ順番にお答えしたいと思います。

質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。

一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。

糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m

それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。


【糖質制限食を実践される時のご注意】

糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。

このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。


一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。

内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。

血糖値が正常範囲である程度下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。

これを糖新生といいます。

診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。

進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなしです。

従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。


なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。

糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。


【糖質制限食とは】

米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。

「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」


これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。 

1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、

「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」

という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。

このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。

従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。

脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。

タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。

現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。

食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。

また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。

そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。

炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。

一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。 

なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。

糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。

簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。

抜く必要がある主食とは 、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。

3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。

一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。

従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。

糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。


なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。

日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2014-2015」の

男性1400~2000kcal
女性1200~1800kcal

ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、

「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

推定エネルギー必要量(一日あたり)
              男性                  女性
15-17才        2500 2850 3150           2050 2300 2550kcal
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000

身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い

くらいが目安です。


そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。

米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。

これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。

なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン 
http://toyokeizai.net/articles/-/125237
http://toyokeizai.net/articles/-/125237?page=4



<江部康二著 参考図書>


理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
 2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年(東洋経済新報社)
など多数。

レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年(洋泉社)
オリゴ糖(少糖類)とは、血糖値の上昇は?
【17/09/24 ジェームズ中野
ビートオリゴ糖について
今回のテーマとはかけ離れた内容で申し訳ございません。ビフィズス菌の餌になると言うオリゴ糖について質問いたします。一般的には、胃で消化吸収されず大腸に達するとあります。つまり血糖値を上げない食品と思われます。1日4グラムほどの摂取でオッケーとされています。糖質制限をすることで便秘がちな方も便が柔らかくなることでスムーズなお通じになるように思います。今は自分の体で人体実験をしております。江部先生、オリゴ糖について先生のお考えをお聞かせいただければと思っています。お忙しいところ恐縮です。以上よろしくお願いいたします。】


こんばんは。


ジェームズ中野さんから、オリゴ糖について
コメント・質問を頂きました。
今回は、オリゴ糖について、考えてみます。

オリゴ糖は、少糖類と呼ばれることもあります。
オリゴとは少ないという意味です。

明確な定義はないのですが、一般には、
単糖類が3~20分子縮合して1分子になったものをオリゴ糖と言います。(☆)

商品としての「ビートオリゴ糖」は、
天然オリゴ糖(学名:ラフィノース)を含んでいますが、
ショ糖や糖類も多く含まれていますので、糖質制限的には、NG食材です。
ビートオリゴ糖(ショ糖・糖類:67%、水分:22%、オリゴ糖:11%)

オリゴ糖は、ご指摘通り一般に胃や小腸で吸収されてにくく、低カロリーであり、
大腸まで達して、ビフィズス菌などの餌になるとされています。

中でも、フラクトオリゴ糖と乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)は、
血糖値とインスリン値に影響をほとんど与えません。

ラフィノース、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖は
一定難消化性ですが、少し血糖値を上げる可能性があります。

イソマルトオリゴ糖は、あるていど血糖値をあげると思います。



ラフィノースは、 消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。


キシロオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2kcal/g です。


ガラクトオリゴ糖も、消化されにくく、低カロリーで、腸内のビフィズス菌の増殖を促進する働きがあり、
エネルギー換算係数は2~3kcal/g です。


フラクトオリゴ糖は、摂取しても、血糖値を上昇させず、インスリンの分泌も促しません。
消化酵素によって消化されにくいため、体内に吸収されることもほとんどなく
低カロリーです。血糖値は上げませんが、腸内細菌の餌となり、短鎖脂肪酸を作ると思われ、
エネルギー換算係数は約1.6~2.2kcal/g です。


乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)も、 消化されにくく、摂取しても血糖値の上昇や、
インスリン分泌にほとんど影響を与えません。
また、腸内のビフィズス菌の増殖を促進し、便の性状を改善する働きがあります。
エネルギー換算係数は2kcal/g ですので、やはり短鎖脂肪酸のエネルギーと思います。


イソマルトオリゴ糖は、
他の難消化性のオリゴ糖に比べると小腸内ではある程度消化されますが、
でん粉などに比べると消化されにくいです
エネルギー換算係数は4kcal/g で、ビフィズス菌の餌になります。
小腸であるていど消化されるので、血糖値もあるていど上昇すると思います。



(☆)

健康増進法における栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は

<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>

の5成分表示とされています。

「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。

栄養表示基準上はたんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。

①炭水化物=糖質+食物繊維
②糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
③糖類=単糖類+二糖類

*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど
*二糖類=ショ糖、麦芽糖、乳糖など
*三糖類以上
 1)オリゴ糖:単糖類が3~20分子縮合して1分子になったもの
 2)多糖類:単糖類、数百~数千分子が縮合して1分子になったものでんぷん、デキストリンなど)

*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、ネオテーム



江部康二
糖質制限食実践中の糖質摂取、一見耐糖能低下のことがあるが?
こんばんは。

スーパー糖質制限食実践中の耐糖能検査について説明しておきます。

75g経口ブドウ糖負荷試験実施前3日間は、150g/日以上の糖質摂取が、
日本糖尿病学会の推奨となっています。

スーパー糖質制限をあるていどの期間続けた正常人が、
いきなり、ブドウ糖負荷試験あるいは糖質一人前摂取で、
耐糖能低下のように見えるデータがでることが、時にあります。

私見ですが、これは、
追加分泌インスリンの必要性があまりないスーパー糖質制限食を続けていた場合には、
通常量の糖質摂取に対して、β細胞が準備ができていない状態であった可能性があります。

従って、150g/日以上の糖質を3日間摂取することで準備を整えてから検査をすると、β細胞の準備ができているので、
もともと正常型だった人なら耐糖能が普通に戻ると思われます。

1回50gの糖質を摂取すれば、
追加分泌インスリンは基礎分泌の10~20~30倍くらい出ます。
しかしながら、
この10~20~30倍のインスリン追加分泌は、狩猟・採取時代からみたら
いかにも過剰で危険なものです。
インスリン過剰分泌は活性酸素を発生させ、
酸化ストレスリスクとなるので、万病の元と言えます。


スーパー糖質制限食実践者においては、β細胞は休養できていて、
なおかつ血糖コントロール良好ですので、
高血糖によりβ細胞が障害されている可能性はありません。
また基礎分泌インスリンはスーパー糖質制限中も常に分泌されていて、
追加分泌も食事のたびに基礎分泌の2~3倍くらいは分泌されます。
元々正常人であれば、β細胞も正常で元気です。

ですから、β細胞のインスリン分泌能力も準備さえ整えば、
正常に作用すると考えられます。

つまり、正常人が糖質制限中にいきなり糖質摂取したとき、
一見耐糖能が低下したようなデータが出ることがありますが、
これは本当にβ細胞が障害されて耐糖能が落ちたのではないので、
心配ないということです。

糖質制限食実践者においては、食後高血糖によるβ細胞の障害はないので、
本当にインスリン分泌能が低下するということは考えられません。

人類は狩猟・採集時代の700万年間は、穀物なしの糖質制限食です。
穀物食(高糖質食)は農耕後の1万年間だけです。

どちらが人類にとって自然な食事であるかは明白です。

糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。

糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖がリアルタイムに改善し、
ほとんどの場合、血糖コントロール良好となり、糖化も予防できます。

正常人が糖質制限食を実践すれば、糖化が予防できます。
そうすると糖質を普通に摂取している正常人に対して
糖化がベースにある老化が防げます。

私はこのように思いますので、一生、美味しく楽しく糖質制限食を続けて、
健康ライフを維持していきたいと思います。



江部康二
炭水化物摂取比率が減少し、糖尿病の増加が縮小し、糖尿病予備軍は減少。
「糖尿病疑い1000万人 厚労省推計2012年から50万人増」

炭水化物摂取比率が減少して、糖尿病の増加が縮小し、糖尿病予備軍は減少。


2017年9月21日に厚生労働省が発表です。

厚生労働省は、毎年国民健康・栄養調査を実施しています。

その中で、4~5年に1回、糖尿病有病数を集計しています。

今回2016年の糖尿病有病数は、2012年に比し、約50万人増加で、前回と同じぐらいです。
slide3.jpg

1990年:560万人
1997年:690万人(130万人増加)
2002年:740万人(50万人増加)
2007年:890万人(5年間で150万人増加)
2012年:950万人(5年間で60万人増加)
2016年:1000万人(4年間で50万人増加)

これで見ると、2002年→2007年の増加数が、半端じゃないですね。

2007年→2012年の増加は、60万人で
1997年→2002年の増加、50万人と似たようなもので、
2002年→2007年の増加、150万人に比しかなり少ないです。

2012年→2016年の増加、4年間で50万人は前回と同じくらいです。

糖尿病予備軍は、2012年に約1100万人で、2007年から約220万人減少で、
国民健康・栄養調査が始まって以来の初めての減少でした。
さらに2016年は糖尿病予備群は約1000万人で、
2012年から約100万人減少で、前回と同様の傾向です。

冷静に考えて、糖尿病増加の勢いが、弱まったことになります。

実はずっと増え続けいた炭水化物摂取比率が、
2008年から2010年にかけて、60.4%から59.4%に減っています。
2010年から2012年にかけては、59.4%から59.2%に減っています。
2012年から2015年にかけて、さらに59.2%から58.4%に減っています。

そして、ずっと減少傾向だった脂質摂取比率が、
2008年から2010年にかけて、24.9%から25.9%に増えているのです。
さらに2010年→2012年→2015年と、25.9→26.2→26.9%と増えています

slide2.jpg

そして、これを受けて、20007年から2012年にかけて糖尿病の増加が急減して、
糖尿病予備群は220万人も減少しているのです。
2012年から2016年も糖尿病は増加していますが、歯止めがかかっていて
予備群も前回の調査に続いて減少です。

保健所や一般の医師・栄養士の食事指導は、
旧態依然たる日本糖尿病学会推奨で唯一無二のカロリー制限食で、
数十年来不変ですので、今更この影響はないと思います。

なお、2000年~2015年まで日本の人口は
1億2700万~1億2800万くらいで大きな変化はありません。
そして、この間、高齢化はどんどん進んでいるので、普通に考えると
高齢者に多い病気である糖尿病は、より増加し易い状況だったと言えます。
それが歯止めがかかったというわけです。

平成12(2000) 126926人
平成17(2005)127768
18 127901
19 128033
20 128084
21 128032
22 128057
23 127799
24 127515
25 127298
26 127038
平成27(2015) 127095人


こうなると、あくまでも仮説ですが、炭水化物摂取が減って脂質摂取が増えて、
糖尿病の激増に歯止めがかかったのは、
糖質制限食の影響の可能性がありえますね。(^^) 


☆☆☆
国民健康・栄養調査|厚生労働省
       エネルギー    脂肪エネルギー比率  炭水化物エネルギー比率
2010年   1849kcal           25.9%           59.4%
2011     1840            26.2            59.2
2012     1874            26.2            59.2
2013     1873            26.2            58.9
2014    1863             26.3           59.0
2015    1889             26.9            58.4


江部康二